助産師になりたい
将来の夢が助産師になることなので、医療のプログラムを選びました。
トビタテ留学Japanに応募する際たくさんのエージェントを調べましたが、その中で最もボランティアに特化していたのがプロジェクトアブロードだったので、こちらで留学することにしました。
フィリピンを選んだ理由は、産婦⼈科に⾏ける可能性が⾼そうだと感じたからです。
渡航前は、初海外留学でとても不安でした。
特に語学の⾯では、そもそも流暢に英語を話せないうえに参加するのが医療プログラムということで、医療英語への不安はかなりありました。
また、⽇本以外の国の⽂化になじめるのかという⽣活⾯での不安もありました。
もちろん楽しみな気持ちもありましたが、不安や⼼配が⼤きかったです。
医療ボランティアとフィリピン生活
実際の活動内容は以下の通りです。
〈CEBU PROVINCIAL HOSPITAL〉
●施設とスタッフの⽅々の⾒学(OPD,ER,DR,Animal Bite Clinic など)
●OPDのトリアージエリアで、診察前の患者さんの⾎圧、脈、体温、体重などを測定し、患者さんの情報が書いてあるカルテのようなもの、ID カ−ド、プライオリティカードを作成する。
●WARD(病室)に⾏って、患者さんの脈、体温、呼吸数(⼤⼈)、脈、呼吸数(⼦供)を測定し、記録する。
〈コミュニティ〉
●コミュニティにある病院の施設⾒学
●医療が⼗分に届いていない地域に住んでいる⽅々のお宅に伺い、⾎圧、脈、⾎糖値を測定する。その際、アンケートのようなものもとる。
〈学校〉
●⼩学校へ訪問し、⼦供たちには視⼒検査と⼿洗い
●⻭磨きのワークショップ。保護者や職員の⽅々には⾎圧、脈、⾎糖値などを測定する。
●中学⾼校へ訪問し、⾎圧等の測定とともに⻭科医師の⼿伝い(⻭を抜く前の⽣徒の⾎圧測定、器具を洗う、⽣徒の顔を抑えるなど)。
〈滞在先について〉
私はセブの端の⽅にあるボゴシティというところにホームステイしました。
とても海が近く、歩いて⾏けるところにビーチがありました。
基本的には晴れていましたが、⾬期だったので夜になると毎⽇のように⾬が降っていました。短時間にすごい勢いで降るスコールでした。
道には⽝、ヤギ、鶏、⽜、猫などがいました。特に⽝はすごい多いです。少し怖いかもしれませんが、普通にしていれば噛みつかれたりすることはないと思います。
また、私の部屋のすぐ隣にはたくさんのヤギと鶏がいて、鶏は朝の4時から⼀⽇中鳴き続けていました。
フィリピンは暑いですが、普通の家庭にはエアコンはありません(電気代が⾼いので)。16⽇間ほとんど扇⾵機で⽣活しました。
あとハエが多いです。蚊よりもハエの⽅がいたんじゃないかってくらいハエがめちゃくちゃいます。
⾞の運転は基本雑です(信号はありません。中央線も基本的に無視)。最初は驚くかもしれませんが2⽇あれば慣れます。
〈⾷事について〉
美味しいです。
ただ⽇本の味と⽐べて基本的には濃いです。すごく⽢いか、すごくしょっぱいかという感じでした。
薄味が恋しくなった時に、⾃分⽤の味噌汁とかがあるといいかもしれません。
私は⾖のスープと鶏⾁のアドボと⽢く味付けされた豚⾁が好きでした。
〈洗濯について〉
私は⾃分で⼿洗いしました。
ランドリーにお願いしているボランティアもいましたが、お⾦かかるし取りに⾏く⼿間がかかるので、⾃分でやった⽅がいいと思います。
ホストファミリーにお願いする場合も、いくらかお⾦を払う必要があります。
たくさんハンガーがあると便利です。
〈ホストファミリーについて〉
すごく親切でした。
私のホストファミリーはボランティアを受け⼊れるのが初めてだったそうで、本当によくしていただいたと思います。
向こうの⽅はかなりの確率でFacebookを使っているので、⽇本でインストールしていくといいと思います。
私もホストファミリーとはFacebookで連絡を取っています。
〈ルームメイトについて〉
私含め4⼈でステイしましたが、全員⽇本⼈の⼥⼦でした。
2⼈部屋だったので、同じ部屋だった⼦とはかなり仲良くなりました。
経験を通じて生まれた今後の夢
⼿術と出産を⾒たことが特に印象的でした。
特に出産を⾒られたことは、将来助産師を⽬指している私にとって⼤きく貴重な経験でした。
出産では、陣痛が来ているところから⾒せてもらいました。⾚ちゃんが出てきてからも分娩室が忙しく動いていて新鮮でした。
⼿術は、「マンゴーの⽊に登って落ちてねじれてしまった肘の⾻をなおす」⼿術でした。
私は後半部分を見たので、縫合まで⾒学させてもらいました。最初は⾃分が⾎が⼤丈夫なのか⼼配でしたが、始まってみたらとても興味深々でした。
⼿術、出産⾃体を⾒られたことはもちろんうれしかったですが、 どういう環境でそれが⾏われているのかを知れて勉強になりました。
弱点が助けてくれた成長
⾔葉の壁は⼤きかったです。
英語を聞き取れること、単語を知っていること、⾃分の気持ちを正確に伝えられることはすべて別の⼒で、どれも⼤切だと痛感しました。
特にコミュニティに⾏ったときのアンケートは本当に⼤変でした。聞く側の私が質問内容を理解できず、最終的には患者さんに⾃分で書いてもらうという形をとりました。すごく悔しかったです。
また、コミュニティに住んでいる⽅の中にはあまり英語がわからないという⽅もいらっしゃって(多くは 60 歳より上)、その⽅々に内容をかみ砕いて話すのも⼤変でした。
でもそのおかげで、積極的に話したり動けるようになったと思います。
私は留学に⾏く前から英語のレッスンを受けていました。しかし、基本的には先⽣の⾔っていることを聞いて内容を理解し、相槌を打つことで精⼀杯でした。
帰国してからレッスンを受けたら、⾃分からいろいろ話している⾃分に驚きました。英語を話すことに抵抗がなくなったのだと思います。
また、プログラム中に⾃分から⼿を挙げてやりたいと思ったことをたくさん体験できたことで、⾃分に⾃信がつきました。これからの⽣活でも⾃分から動けるように頑張りたいです。
フィリピンの医療の現状も知ることができたと思います。私が⾏ったのは州⽴病院だったので、よりリアルに国⺠の医療事情が知れました。
夢を現実へ
私の夢は、世界で活躍する⽇本⼈の助産師になることです。
フィリピンでは医師が⾜りない、看護師が少ないという声をたくさん聴きました。だからその夢は留学に⾏く前も今も変わりません。
しかしもう⼀つ夢ができました。それは『病院の環境を根本から解決すること』です。
フィリピンの病院は衛⽣環境が本当に悪いです。
どの部屋にもハエが⾶んでいます。⼿術室で⼿術中にも⾶んでいました。
私は⼿すら洗わずに普通に外気に触れている⼿袋、薄い帽⼦、薄い服を着て靴を履き替えただけで、⼿術室にも分娩室にも⼊れてもらえました。⽇本ではありえないことです。
OPDでは、タッパーのようなものに⼊っていて普通に⼿で触ったガーゼを使っていました。感染症などが流⾏しても全くおかしくない状況です。
私はこの状況を変えたいと思っています。まずは職員の意識改⾰からです。例えば、こまめに⽯鹸で⼿を洗う、マスクをする、扉は開けたら閉めるなどです。
⾼校⽣で留学して⾊々な体験をした私だからこそできることをこれからも考えて、いつかフィリピンや他の国で役に⽴てるといいと思っています。
帰国した今だから言えること
勇気を出して挑戦して本当によかったと思っています。
⽇本では絶対にできないたくさんの体験をさせていただけたことに、⼼から感謝をしています。
医療のプログラムで体験したことはもちろんですが、⽇本ではない国のカルチャーを⾝をもって感じられたことは貴重な体験でした。
また英語しかない世界に⾶び込んだことで、英語に対する苦⼿意識や嫌悪感は確実に減少したと思います。
この体験を必ず活かして、将来世界で活躍する⽇本⼈の1⼈になります!
これから参加する高校生へ
留学はとても大きな挑戦です。とても不安だと思います。
私も行く前は本当に不安で、行きの飛行機では機内食がほとんど喉を通りませんでした。
でも、少しでも興味があるなら挑戦してみてほしいです。
一つ一つのことに全力で取り組んでいけば日はあっという間に過ぎていきます。
頑張っていることが周りに伝われば、自分の周りの人たちはたくさん助けてくれます。
終わった後、必ずやってよかったと思えるはずです。
準備は万端に、笑顔を忘れずに自分らしく頑張ってきてほしいです!
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。