そのときは、なぜか恐怖心がなかった
私は、小さいころからサメが好きでした。
ある水族館でボランティア活動をやっていると知って、参加してみたいと思ったが、条件に当てはまらずできませんでした。
そのとき母が、「サメの保護ボランティアをやっている団体を見つけたけど、行ってみる?だけどフィジーって国まで行かないとできないんだって」と冗談半分で言ってきました。
私は昔から、外国は怖いから行きたくないと思っていたが、なぜかそのときは「行きたい」と思いました。
それからプロジェクトアブロードのサメの保護について調べるようになり、これは行かないと後悔すると思い、参加することに決めました。
出発前は、どんなサメに会えるのかなととてもワクワクしていました。
英語は、文法がわかっていればなんとかなるかなと思う程度でした。
いざ、フィジーに降り立って
そして出発!
現地に着いて初めて海を見たときは、感動しました。
あまりにも綺麗で、頭の中がからっぽになったような気分になりました。
しかし日本語を話している人がいない…
もうここは日本じゃないんだと思うと、楽しみだった気持ちが一気に不安へ変わりました。
この国で2週間過ごすんだと思うと、少しだけ帰りたくなりました。
ぶち当たった大きな壁
最初の四日間は、ダイビングのライセンスを取るための講習でした。
もちろん、説明もビデオ学習もペーパー試験も、すべて英語でした。
ペーパー試験では、問題の意味もわからず、何度も追試になりました。
本当に辛くて、何度も何度も帰りたくなりました。
英語が話せないのは、こんなにも辛いものなのか…と思いました。
実際にプールや海での演習でも何をするのかわからないことがあり、生きて帰れるだろうかと不安になることもありました。
しかし、そんな私をたくさんの人が救ってくれました。
励ましてくれる仲間、現地の方々がいたから、最後までやりきることができました。
辛かったダイビングの講習が終了すると、それからは楽しいことばかりでした。
ダイビング活動だけではない
首都スバへ行ったときは、日本の都会とは違う都会を満喫することができました。
滝へ行った日もありました。
滝は山の上のほうにあるので、ひたすら山道を歩きました。
足場が悪く、何度も転びそうになるし、靴は泥まみれ…服にも泥がつく…もういやだと思ったこともありましたが、滝へ着くと、そんな気持ちも忘れ、すぐ水着になって滝まで泳ぎました。
人生で初めて滝に登りました。
水が冷たくて気持ち良かったです。
マングローブを植えたときは、今自分たちのしていることは地球の保護にも繋がるのだろうと、初めて地球のために何かをできたと実感することができました。
その後の村人との交流は、すばらしいものでした。
異文化を味わうことができました。
カヴァジュースという見た目が泥水っぽい飲み物…
これはすごかったです。
苦いような変わった味…
決して好きではなかったけれど、そのときだけで13杯も飲みました。
みんなの飲んでいるときの顔が最高でした。
待ちに待ったこの瞬間
そして、いよいよShark Divingをする日がきました。
私はずっとこの日を待っていたので、本当に楽しみでしかたありませんでした。
仲間たちも楽しみだったようで、しっかり水中カメラを手に持っていました。
ウエットスーツに着替えボートに乗ると、楽しみだけれど少し不安もうまれてきました。
サメのことは本当に大好きで早く会いたかったけれど、「本当に噛まれることはないのか?」と思っていました。
海は波がものすごく強くて、船酔いしている人もたくさんいました。
私もだんだん気分が悪くなりました。
そしていよいよダイブ!
潜ってしまえば、酔いはなくなりました。
そして、たくさんの魚たち。
海底で膝をつき、そこはまるでガラスのない水族館でした。
見たことのない魚もいました。
感動していると、なんと大きなサメがたくさん目に入りました。
ものすごく近距離でした。
しかし、不思議とさっきまで思っていた「噛まれるかもしれない」という不安はなく、ゆったりと泳ぐその姿に心が温まるような気持ちになりました。
ダイバーさんがサメに餌を与え、それを食べるサメ。
とてもかわいかったです。
私は二日間のShark Divingで、6種類のサメを見ることができました。
危険だと言われている種類もいましたが、みんな臆病なのか、こちらには近づこうとしません。
そのとき、「なぜサメは危険だと言われるのだろう?」「なぜ駆除されるのだろう?」と疑問に思うことがありました。
確かに、攻撃的なものもいるかもしれません。
ですが、今回サメのことをたくさん勉強して、「誤解が多いのでは?」と思いました。
一生モノの経験を、未来へ
私は、サメに会いたいという思いが叶って、本当に嬉しかったです。
それに、以前より楽しい時間はあっというまで、別れの日が近づいてきました。
最初の辛かったことなんて忘れてしまうほど、楽しかったことで満たされていました。
しかし英語がまだまだ未熟な私は、仲間にしっかりお礼を言うことができませんでした。
それが残念でした。
そのとき、もっと英語が話せたらな…と思いました。
この気持ちを忘れずに、これから勉強に対する意識を変えようと思いました。
そしていつか英語を話せるようになってから、また仲間と再会して、次こそ伝えたいことを伝えるという目標ができました。
他にも、これからもサメの保護に関わっていきたい!地球や人の助けになることをしたい!と新たな気持ちを持つようになりました。
この2週間は、二度と忘れることのない一生の思い出になりました。
今回学んだたくさんのことは、必ずどこかで役に立つはずです。
本当にこのボランティアに参加してよかったです。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。