8年越しの想い

私がプロジェクトアブロードを知ったのは、今から約8年も前のことです。

すでに介護福祉士として働いていた私ですが、子供の頃は国際協力に関心があり、その道に進みたいと思っていました。

大人として自立していくうちに、「今なら出来るかもしれない」と、気持ちが大きくなり情報収集や活動を始めた頃にインターネットで見つけたのが、プロジェクトアブロードでした。

しかし、魅力的ではありましたが、その頃の私には海外ボランティアをする為には現地の方とのコミュニケーションが大切であり、まずは英語を習得することが必要だという目標があったので、一つの情報として捉えていました。

そして8年後、本当は他のボランティア派遣団体に入って活動をする考えでしたが、やや不信を抱き、自分の将来も見据えながら他の方法は無いかと考えた時、一番に浮かんだのが、プロジェクトアブロードでした。

オフィスに電話をした時、とても優しく丁寧に対応して下さり好印象を受けました。

次に、説明会を受け、さらに期待は膨らみました。

プロジェクトの豊富さに好奇心が増し、「あれもしたい、これもしたい!」と、思いましたが、自分にとって一番大事なことは何かと考え、2か国でのチャイルドケアプログラムを選択しました。

その一つが、ペルーです。

いざ、ペルーへ

私にとって南米は未知の世界であり最初は楽しみでしたが、活動時期が迫るにつれて、「よくペルーを選択したなー」と自分でも思うくらい不安になっていました。

なぜならペルーは、スペイン語圏です。

プロジェクトアブロードのスタッフとは英語で話せますが、現地の方はスペイン語で話します。

中級程度の英語力とスペイン語力ゼロの私は本当に大丈夫なのかと、今更思ってしまったのです。

活動のはじまり

いよいよ活動スタートです。

私は、クスコに4週間滞在しました。

活動先は、自分の経験を活かすべく、障害児施設を希望しました。

そこには、ダウン症、自閉症、知的、言語、身体などの障害をもった10歳前後の子供たちが通っていました。

少人数体制を設けており、私が就いたクラスは7人の子供たちがいました。各クラスに先生が1人、ボランティアが1人就きます。

私がいた時は、他派遣団体を通して、アメリカ・オランダ・スペインからもボランティアが来ており、休憩時間などは彼らと共に楽しく会話をして過ごしました。

私の役割は、先生のアシスタント、子供たちへの教授(主に、工作で紙を切る、丸める、貼る、色を塗るなどの作業の仕方、数字を教える)、食事・排泄介助、自分でアクティビティーを考え子供たちに提供することなどでした。

とにかく、子供たちはとても可愛かったです。

私は授業で子供たちに、童謡を英語バージョンと日本語バージョンで振り付けをしながら歌ったり、紙ひこうきの折り方を教え飛ばしたり、紙コップロケット(紙コップが無く、プラスチックコップを使用)を作って遊んだり、風船に色紙やシール・毛糸を装飾するようなアクティビティーを行いました。

最後はプロジェクトアブロードのスタッフの助言と協力もあり、施設にいる全ての人達に感謝の気持ちを込めて、ケーキを振る舞うことができました。

皆さんに喜んで頂き、本当にうれしかったです。

その他にも、施設が企画した全クラス合同の塗り絵大会があったり、バスを貸し切り遠足に出かけたり、子供に対する関わり方など先生から学ぶことも沢山ありました。

充実したペルー生活

ホームステイ先の家族に温かく迎えられ、毎日快適に過ごしました。

食事は美味しく、いつも家の中は清潔に保たれ、感謝の日々でした。

休日は、世界遺産のマチュピチュやプラザデアルマスなどを観光しました。

幸運なことに、6月のクスコでは南米三大祭りの一つインティライミがあり、ボランティア仲間と一緒に鑑賞し、生まれて初めてアルパカを食べました。

まちゆく人々は優しく、外に出れば色鮮やかな衣装を着た人たちがパレードをしていたり、車の荷台に乗って音楽を演奏していたり、街はイベントで賑わっていました。

また、素敵なカフェを2つ見つけ、よく通っていました。

いつも、向き合ってくれた

プロジェクトアブロードペルーのスタッフの対応には、心から感謝しています。

生活する上での注意事項、街の紹介、活動先、ホームステイについてなど、丁寧で十分な説明をして頂き、とても安心できるものでした。

困った時は親身になって話を聞いて下さり、それに対する対応がとても早かったです。

その一つに、滞在中にスペイン語を勉強したいと相談しました。

また、スペイン語のみでのレッスンだと、全く授業が理解出来ないと思ったので、英語が話せるスペイン語の先生を紹介してほしいとお願いしました。

すると、その日の夕方にはホームステイ先に連絡が入り、翌日にはレッスンを受ける為のミーティングをして頂き、定期的に先生がホームステイ先まで来てスペイン語のレッスンを受けることが出来ました。

おかげで、日々の生活がさらに充実し楽しくなったのは言うまでもありません。

ピサックとカルカの幼稚園訪問もさせて頂きました。

子供たちとふれあい、私の活動先とは違う環境や体制を知り、とても貴重で有意義な時間を過ごさせて頂きました。

また、ソーシャルアクティビティーとワークショップがそれぞれ毎週1回あり、ボランティア仲間と交流をもつことができ、とても良い刺激になりました。

価値ある行動

残念ながら現地では、障害者にとって働く場はほとんど無く、厳しい現実があります。

また、複雑な家族関係をもっている子供たちもいます。

私が子供たちに関われたのは、その長い人生の中のほんの一瞬ですが、その一瞬の中で子供たちが沢山笑顔になってくれればと思って活動しました。

誰かは忘れてしまっても、誰かは「良かったな。楽しかったな」と、心に残り、今後の支えになるかもしれません。

最初は不安でしたが、最後は感謝の気持ちと何ともいえない満たされた気持ちでいっぱいでした。

言葉の壁を感じることなく、皆さんと笑いあいながら過ごした日々が今でも私の心の中で輝いています。

「世界は優しく、私たちは一人ではない」そう感じさせてくれた、かけがえのない最高の経験でした。

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ペルーでチャイルドケア 中村知世

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。