何かを変えよう
僕は8週間、ガーナでのプログラムに参加しました。
キッカケは「何かを変えよう」という気持ちでした。
大学では、授業、アルバイト、サークル、友達との時間、ほぼすべてのことが楽しかったです。
けれどある時、「楽しいけど何か物足りない」と感じパソコンを立ち上げ、「海外 ボランティア」と検索して、プロジェクトアブロードに出会いました。
将来は教員になりたいと思っていたので、「先生として何かできたらな」とぼんやり考え、とりあえずという気持ちで説明会に行きました。
そこで出会った女性が、ガーナでの教育プログラムに参加したことや、学校を建てた人がいたことを話してくれました。
「なんておもしろいことをしているんだ」「そんなことできるの」と、驚きと興奮で説明会が終わってからもずっとワクワクしていました。
「絶対に行きたい!」と思い、ガーナへ行くこと、教育と建築のプログラムに参加することを決めました。
建築ボランティア
まず建築のプログラムから始めました。
内容は学校建設です。
憧れていた自分たちでつくる校舎です。
校舎といっても小さな教室ですが、それでも子どもたちが勉強する場所を現地の人たち、他の国から集まったボランティアと一緒に作り上げられたことは、今でも僕の誇りです。
それでは、活動の具体的な内容を説明します。
土、セメント、水を混ぜて型にはめて乾燥させると、ブロックが出来上がります。
そのブロックを積み重ねていき、屋根を取り付けると学校の完成です。
「そんなシンプルなの」と驚かれるかもしれませんが、作業自体はとても分かりやすいです。
ただ、一つ一つのブロックは重たいので、運んで積み上げていくだけで疲れ果てます。
使う道具も簡単なもので、基本的には力仕事です。
毎日汗だく、泥だらけで活動を終えます。
作業終わりのコーラは、僕たちボランティアの至福の時間でした。
完成したものをこの目で見られるという点で、達成感は他のプログラムよりもはっきりと感じることができます。
たくさんの国から集まった仲間と一緒に何かを作り上げることの喜びを、ぜひ味わってください。
教育ボランティア
僕は小学校に行き、実際に教員として活動しました。
教えていたのは算数です。
かけ算やわり算など、日本の小学校でも教えられていることを現地でも教えてきました。
将来数学の教師になりたいので、学校の校長先生にお願いして算数の授業のみを担当させてもらいました。
子どもたちは、算数以外にも英語や理科などを勉強しているので、担当したい教科だけでも良いですし、全部の教科を担当することも可能で、それは僕たちボランティア次第です。
さらにアクティビティの時間もあり、自分で授業をコーディネートできます。
というのも、学校のカリキュラムに体育や音楽、図画工作などがなかったのです。
僕は日本から持って行った折り紙で、折り鶴などを子どもたちと一緒に折りました。
他にもサッカーをしたり、歌を歌ったり、日本でいうと副教科にあたることを、その時間でできるようにコーディネートしました。
しかも1回90分もある授業で、算数や英語ばっかりで、子どもたちはつらそうでした。
みなさんは「将来はお医者さんになる」「大統領になりたい」と言っているアフリカの子どもたちを、テレビなどで見たことがあるのではないでしょうか。
僕もガーナに行くまで、アフリカの子どもたちは学校が好きで、勉強がしたくてたまらないんだろうなと思っていました。
もちろんそういう子どもがいないわけではないと思いますが、現実は想像とは違いました。
先生の教え方やカリキュラム、社会的な背景など様々な課題があり、子どもたちの多くは勉強に対してあまり良いイメージを持っていませんでした。
だからこそ、僕たちボランティアが現地の先生に「こんなふうに教えてみるのはどうかな」「こんな取り組みをしたら子どもたちは喜ぶんじゃないかな」とアイデアを提案することが大切なんだと思います。
正直、授業はなかなかうまくいかなかったし、しんどさで言えば建築プログラムの100倍くらいしんどくてつらかったです。
けれど、先生たちと「もっとこうしよう」「こんな授業をやってみよう」と話し合い、試行錯誤し、その授業で子どもたちが楽しいと思ってくれたり、内容を分かってくれたときは、それまでのつらさなんか一瞬で吹き飛ぶくらいうれしかったです。
学校建設のようにゴールが明確にあるわけではないので、目標を見失ったりして苦しい時もありますが、日々子どもたちの笑顔や成長を先生として見ることができるのは、この教育プログラムの魅力的なところです。
子どもたちがどんな大人になるのか、とても楽しみです。
自由時間には
ガーナでは、ボランティアとして活動する時間がすべてではありません。
土日は休みなので、自由に過ごせます。
世界遺産を見にバスで往復14時間の旅に仲間と出かけたり、現地の人が着ている服を着てみたいと思い買いに行ったり、ガーナ料理を食べつくそうと町の人においしいところはないか聞いてまわったりしました。
旅行、ショッピング、グルメ旅など、好きなことをやって過ごしました。
平日も、バーでみんなとお酒を飲んだりしました。
さらに週に一回、現地のスタッフがアクティビティを企画してくれたりして、本当に毎日楽しかったです。
ボランティアの活動がしんどくても、リフレッシュできるのでとてもよかったです。
行動こそ、すべて
僕にはいま、誇れるものがあります。
一緒に汗を流した仲間、世界にたった一つの学校、アフリカにいる教え子たち。
ガーナに行かなければ、手にできなかったものです。
ガーナに行かなければ、出会わなかった人たちです。
はじめ「楽しいけど何か違う」、そう思っていた僕は消えてなくなりました。
みなさんも「何かおもしろいことしたいな」と思って、これを読んでくださったのではないでしょうか。
普通の大学生にもできたことです。
ぜひみなさんも、自分に誇れるものをつくってください。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。