自分を高める環境へ

私は日本から海外へ行く旅番組や海外へ住んでいる日本人へ会いに行くと言う番組を見るのがとても好きで、何となく行ってみたいと言う気持ちとどこか海外への憧れがありました。

日本ではそれなりに、いろいろなことを難なくこなせる年齢となり、また日本では何か困難があれば周りの友人、家族が手を差し伸べてくれる環境にあり、それに甘え、自分自身の成長を感じなくなっていました。

言語の通じない所や文化の違う異国であれば、戸惑うことも多く、自らが行動しないと解決できないことがある、それが人生の刺激になるのではないかと考え、自己啓発目的で海外へ行こうと決心しました。

プロジェクトアブロードとの出会い

せっかく行くなら一ヶ月程度住みたいと考えていましたが、その経済力はなかったため、安価で、現地の生活により密着する事ができる方法はないかとインターネットで検索したところ、出会ったのがプロジェクトアブロードでした。

資料請求、アドバイザーへの相談を行う中でとても興味が湧きました。

また、自分自身で参加期間を自由に決めることができることも魅力でした。

今回、チャイルドケアプログラムに参加しましたが、語学ができなくても参加できること、私の理学療法士という仕事が活かせる活動も中にはあるとのアドバイザーのアドバイスを受け、このプログラムに決めました。

渡航前の本音

事前の準備の段階で英語に触れることが多々あり、また当初の私の目的とは違うボランティアとして参加することとなりましたので、ボランティアという事の意味を考える中で言語が通じないことは、とても大変なことではないかと自身の甘さを痛感し始めていましたが、後にも引けず、不安を抱いたまま参加する形となりました。

活動先で最初に感じたこと

活動先は、スリランカのリハビリテーションセンター。

日本のリハビリテーションセンターと言われるところを想像していましたので、初めは衝撃の連続でした。

衝撃と何をすべきか分からず、戸惑うことの多い初日でしたが、子供たちがとても人懐っこく、施設の門をくぐると笑顔で駆け寄って来たのがとても印象的でした。

また、一つのことを教えるととても興味をもち、熱心に取り組む子が多いことが分かりました。

当初は、穴のあいた服を安全ピンで留めていたり、裸足であったり、衛生面がとても気になり、また子供が裸足の中で私達ボランティアや周囲の大人は靴やサンダルを履いていることに違和感を感じました。

ですがそのような面を物資がない中で、今すぐ変えることは無理だと思いました。

考えを切り替えてみたところ

何より全ての面で障害となったのが、言葉です。

何かをしたい、変えたい、問いかけたいと思い、多少伝えられたとしても、それを何故か深く話すことができない、納得できるような説明をすることが私にはできませんでした。

また、現地の方のやり方やこれまでの歴史もふまえ、活動を始めて3日経過した頃より、3週間と言う短期間で私にできることは何かを変えたり、新たなことを始めることではなく、ここに私が来たことで一人でも喜んでくれる人がいること、日本や他の国に関心を持つことで、子どもたちのいろんな事への興味を引き出すこと、子どもたちの「これを覚えたい」「あれをやりたい」など、行動意欲や気持ちを引き出すことではないか。

それらを目標にしようと考えを切り替えました。

初めは日本から持参した折り紙で鶴を折ったり、フラワーボールを作ったりしました。

先生がこれを作って、「こんな風に木に飾ろう!」といろいろと案を出してくれたり、「今日は、これが作りたい!」と子供の方から声をかけてきてくれたりと、先生を始め、子供たちもとても興味をもってくれました。

持参の折り紙をすべて使い終えると、今度は現地にある資源で何ができるかを考えました。

折り紙はなかったですが、カラー画用紙がありましたので、それを使い、ちぎり絵でスリランカの国旗、富士山、雪の絵などの作品を仕上げました。

雪のことは分からないが、「雪やこんこん♪」と歌っている子がいたので、それを聞き、作品を完成させ、これが雪だよと教えながら歌うと、とても喜んで何度も歌うよう催促されました。

ただ、言語ができず、麻痺手を使いながら、紙をちぎり作品を完成させることや、折り紙を折ること、細かい作業を行うことにどのような効果や意味があるかを伝えることができなかったのが、とても悔しかったです。

このプログラムを通し、事前の情報収集、事前の準備(言語)の重要性を感じ、ボランティアとして参加する以上、少なからず目的意識を持ち参加することが旅や活動を充実させる一つの手段であると感じました。

スリランカ生活

ホームステイ先には、常時8~10人の各国から集まったボランティアがいました。

異国の文化との違いが垣間見え、これもまたいい刺激となりました。

活動のない週末は、旅行やビーチに誘って頂き、ほとんど家にいない状態でした。

一人で出かける心の余裕はとてもなかったので、言葉が通じない中で携帯電話でタイピングして誘ってくれたり、旅先でもいろいろとお世話をしてくれたりしたボランティア仲間には、とても感謝しています。

ホームステイ先でも沢山の事を手伝ってもらいました。

またホストファミリーもとても気さくな方ばかりで、毎日笑顔で挨拶してくれたり、英語ができない私でも構わず、伝わるように工夫しながら、いつもいつも声をかけてくれ、コミュニケーションをとる努力をしてくれました。

ホストファミリーやボランティア仲間がいなければできなかった経験が多々ありました。

私の旅、活動をより充実させてくれたホストファミリーとボランティア仲間には、心から感謝しています。

今回、語学がままならず参加したことは反省点ではありますが、それによりこれから英語を学んでホストファミリーやボランティア仲間に恩返しがしたいと思いました。

帰国した今

帰国したばかりですが、既にまた行きたいという衝動に駆られています。

活動先でも今度は、こんなことをしよう、こんなことを伝えよう、聞いてみようと夢が膨らむばかりです。

また、ボランティア仲間が常にいたことで他の国にも興味を持ち、私自身の人生の視野が広がりました。

行く前は不安でしかありませんでしたが、とても、とても濃密で、充実した3週間となりました。

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スリランカでチャイルドケア 仲川純代

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。