ビビっと来たカンボジア

私は活動先の検討にあたって、日本からの近さ・プログラム内容・国の文化や歴史の三つを重視して選びました。

日本に近いカンボジアは時差2時間で済みますし日本人参加者も多いので、初海外の私も安心できる丁度良い行き先だと感じました。

元々医療プログラムにも興味がありましたが、現地の人々と現地語で濃く交流したいという思いが強かったため、公衆衛生プログラムに決めました。

さらにカンボジアについて調べるにつれ、50年程前に刻まれた痛ましい歴史と現代のカンボジアの貧困問題との繋がりを知りました。

実際に足を運び、自分の目で見て、感じて、歴史を学びたいと強く思ったことも大きな決め手の一つでした。

現地での活動

活動内容は大きく分けて、ヘルスチェック・学校でのプレゼン・障がい者施設の訪問・現地病院や貧困地域の見学などでした。

子供達のヘルスチェックでは、爪切り・シラミチェック・耳や鼻の掃除・傷の手当などを主に行いました。

学校に赴いてクラスごとに実施しましたが、ヘルスチェックのあとには子供達をおんぶしてぐるぐる走り回ったり、沢山遊んで汗だくになったのも良い思い出です(笑)

「元気ですか」「お名前は?」「すごいね!」などの簡単な言葉だけでも覚えていったおかげで彼らと簡単なコミュニケーションがとれて嬉しかったです。

大人の方のヘルスチェックでは、体温・心拍数・血中酸素濃度・血圧・血糖値などを測らせていただきました。

「血圧を測ります」「深呼吸してください」などのフレーズをクメール語で覚えていったのですが、実際に患者の方に伝わった時は本当に嬉しかったです。

プレゼンについては、真面目過ぎたら子供達が聞いてくれないので、楽しいアクティビティを取り入れることを意識しました。

食べ物の絵を書いた付箋を正しい栄養素の場所に貼ってもらったり、実際に周辺のゴミを拾ってきてみんなで分別したり…と体を動かして学んでもらいました。

数々の活動をしましたが、個人的に印象的だったのが貧困地域の見学です。

プノンペン内での最貧困層の地域に出向きました。

首都の中なのにも関わらず、教育や医療に簡単にアクセス出来ない人々が普通にいるし、道端でゴミが燃えていて吸って良いのか…?と思うような淀んだ空気が漂うところもありました。

カンボジア初日に巨大なイオンモールに行った私は、狭い範囲に存在する大きな格差を目の当たりにして唖然としました。

首都プノンペンでこの現状なのだから、地雷が残っているような地域ではより深刻なのだろうな…と思います。

そして、安全面を考えたら自分が行ける場所には限界があるし、自分のできることにも限界があることを痛感しました。

自分自身が国際協力においてこれから何ができるのかを考える良いキッカケになりました。

カンボジアの観光

ボランティア活動を楽しみつつ、カンボジアの観光も楽しむことができました。

週末はバスで6時間程かけてシェムリアップに移動し、アンコールワットを訪れました。

ヒンドゥー教と仏教が混在するアンコールは、カンボジアの宗教観を学ぶのに最適な場所だと思います。

事前にアンコールワットの歴史やカンボジアのヒンドゥー教・仏教について少しでも調べていくと、建築物を見て「凄いなぁ…」で終わらずもっと楽しめるのでオススメです!

また、シェムリアップ内のナイトマーケットやプノンペン内のロシアンマーケットなどにも足を運びました。

次があるかわからないので後悔しないためにも「迷ったら買う、迷ったら体験する」がおすすめです(笑)

そして、キリングフィールドや虐殺博物館に訪れてカンボジアの歴史を学ぶ時間もあります。

私は熱を出し行くことが出来ず悔しかったですが、他のボランティア仲間から話を聞いたりYoutubeで調べたりしてポルポト政権下のリアルな話を間接的に学ぶことができました。

この二つに行けなかったことは本当に一生後悔すると思います。

これを読んでいる皆さんは、出発二週間前から体力をつけたり早寝早起きをするなどして現地で体調を崩さないよう万全の準備をしてください(笑)

仲間達、スタッフの皆さん

プノンペン国際空港に到着してからカンボジアを去るまで、現地スタッフの皆さんはいつもフレンドリーで温かく接してくださいました。

友達みたいな感覚でした。

一番仲の良いスタッフの方が空港まで送ってくださったのですが、帰りたくなくて空港で号泣して困らせちゃいました(笑)

スタッフの方々同様、ボランティア仲間とも良い関係が築けたと思います。

でも、一つ後悔を挙げるとすると英語力です。

自信を持って自由に英語を操れていたら、ヨーロッパからの参加者とももっと仲良くなれていたのかもなぁと思ってしまいます。

私が熱を出した際、他の人に感染させる心配は無かったのですが、ルームメイトの子と少し揉めてしまい、その子とはそのまま気まずい関係で終わってしまったのが心残りです。

語学力以前に考え方や価値観の違いもあるので仕方がないところもあったと思いますが、言語の壁があるのと無いのとでは大違いだったと思います。

「実質的な英語力」と「話しかける勇気」が必要でした。

この経験を踏まえて

このカンボジアでのボランティア活動は、私の今までの人生で一番の経験だったと断言できます。

カンボジアという国とそこにいる人々に二週間真剣に向き合うことで、国際協力に対する強い思いが生まれました。

私は今国際協力と医療に興味があり、将来は必要とされている発展途上の地域で医療に従事することも視野に入れています。

知識面のみならず、一人の人間としての成長も大いに実感できる期間でした。

たった二週間でしたが、カンボジアが大好きになりました!

行き先を迷っている方は是非カンボジアへ!(笑)

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カンボジアで公衆衛生 児玉桜子

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。