高校生のうちに経験という財産を
私は、夏休みの3週間を使って、ペルー環境保護のボランティアに参加しました。
高校1年生の冬、私でも参加できる海外ボランティアを探していた時に、プロジェクトアブロードのホームページを見つけ、興味を持ちました。
このプログラムへの参加が決まったのは高校2年生になってからで、それまでにたくさんの葛藤があっての決断でした。
夏休みの3週間を異国の地で過ごすことで、部活動や勉強など、犠牲になるものがあるということは分かっていましたし、第一に初めて一人で日本を出るということへの不安はとても大きいものでした。
それでも参加を決めたのは、「経験は財産だ」というモットーがあったからです。
時間にゆとりがあり、感性が豊かな高校生のうちに世界に挑戦しようと決めました。
アマゾンまでの道のり
ペルーのプエルトマルドナド空港に着くまで飛行機を乗り継いで30時間、そこから活動先のタリカヤ自然保護区に着くまでボートで川を下って約1時間の長旅です。
タリカヤまでのボートの上から、「熱帯雨林に沈む夕日とそれを映すマドレ・デ・ディオス川」という絶景を見ることができました。
長旅の疲れはその素晴らしい景色に癒され、これから始まる新しい生活への期待も膨らみました。
タリカヤ自然保護区での毎日
タリカヤでは、毎日新しい活動と新たな発見の連続で、飽きることのない3週間を過ごしました。
朝、鳥のさえずりとホエザルの鳴き声で目を覚まします。
朝は長袖を着ていても肌寒いくらいで、外の空気はとても清々しく感じます。
7時頃になると、ボランティア達は共同のキッチンルームに集まってきて、朝食をとります。
だいたい午前の活動が8時からで、午後の活動が14時頃から始まります。
具体的には、保護動物のエサやり、ケージの掃除、新しいケージを作る手伝い、昆虫の採集と観察などをしました。
早朝のバードウォッチングは、朝食前に行います。
木の上に作った観察台から野鳥の観察をしてデータをとります。
観察台からは辺り一面に広がるジャングルを一望でき、様々な鳥や動物の鳴き声が聞くことができます。
とにかく、展望台からの景色は素晴らしいものでした。
大事な命を守る活動
もう一つ紹介したい活動が「タートルリリースプロジェクト」です。
夕方に、タリカヤからボートで亀の産卵場所の州に向かいます。
私たちはそこにテントを張り、少しの睡眠をとった後、午前1時から夜明けまで亀の卵の捕獲を行ないます。
生まれて初めて亀の卵を触りました。
獲った卵は、タリカヤにあるタートルビーチに埋め直します。
タートルビーチはジャングルの中にある人口の砂場なので、亀の卵は野鳥などに襲われることなく、安全に孵化することができます。
孵化した後、亀の子供達はボランティアによって川に還されます。
この活動は、タリカヤで最も力を入れている活動の一つだそうです。
今私たちが卵を捕獲して、何代目後かのボランティア達によってリリース活動が行われると考えると、わくわくします。
このようにタリカヤでのあらゆる活動は、次の代へ次の代へと受け継がれていくものなのだということを教えてもらいました。
熱帯雨林でのロッジ生活
電気もガスも通っていないジャングルのロッジでの生活は、日本の生活と比べてしまうと不便なものでしたが、それも含めてとても良い経験になったと思っています。
食事も3食おいしい料理が用意されていて、スタッフやルームメイトは本当に優しく、会話ができなくても仲良くなることができました。
インターネットも繋がらないので、自由時間はハンモックで昼寝をしたり、本を読んだり、みんなでカードゲームをしたりして過ごしました。
時間がゆっくり流れていく感じが心地よくて、本当に充実した生活でした。
自分と真剣に向き合った夏
私はスペイン語が話せないどころか英語も苦手ですが、言語の壁を越えて世界中から集まったボランティア達と交流を深めることができました。
海外で経験を積むということは、世界を知ることであり、また自分を知ることでもあります。
私はこのプログラムへの参加を通して、自分に真剣に向き合うことができました。
自分の殻に閉じこもっていては絶対に得ることのできなかった経験や出会いが、そこにはたくさんありました。
出発直前は不安でいっぱいでしたが、今では行って良かったと心から思っています。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。