アフリカの現場へ
私は大学で国際経済を学んでおり、在学中に休学し、長期で発展途上国と呼ばれる国へ行きたいと考えていました。
そこでインターネットで検索し、一番初めに目についたのがProjects Abroadでした。
これまで東南アジアの国々へは何度か行ったことがあった為、アフリカに行きたいとぼんやり考えていたところ、Projects Abroadにはアフリカで展開されているプログラムがあると知り、すぐに「これだ」と思い、個別相談を申し込みました。
個別相談の中で、特に資格などが必要無く、比較的参加しやすいプログラムをいくつか教えて頂き、その中から興味があったものを選びました。
ガーナを選んだ理由は、公用語が英語である事が大きいです。
ボランティア活動と同時に英語力も伸ばしたかった僕には最適でした。
以前に東南アジアのラオスで子供たちと交流した経験があったので、ガーナの教育現場を実際に見てみたいという思いからチャイルドケアと教育を選択しました。
建築についてはチャイルドケア、教育プラスアルファで何かしたいと思っていたので、その他のプログラムから自分が出来そうなことを選びました。
苦労、工夫、そして達成感
チャイルドケア
主に2~4歳の子供たちを相手に1対1で数字・アルファベット・色・形などの簡単な教育や衛生指導、着替えや食事のサポートなどをしていました。
とは言っても、小さい子供たちなので凄く大変でした。英語はあまり通じないし、食事の前に手を洗ってもすぐに床を触ったり、外へ遊びに行ってしまったり、想像以上に大変でした。
建築
学校の先生たち用のバンガローの建設に携わりました。
ひたすら砂とセメントをミックスし、穴を掘り、ブロックを作りそれを積み上げ、セメントを塗り、そして塗装まで。
何をするにも機械に頼らずすべて手作業でした。
一つ一つの作業が本当にしんどくて、最初の1週が終わるころには全身筋肉痛でした。
自分が建築をしていた5週間で完成させることは出来なかったのですが、自分は長期滞在で建築の後に教育をやっていたので、帰国前に完成を見ることが出来ました。
建築行程全体で言うと、自分は前半のみの参加でしたが達成感は凄かったです。
現地スタッフ2人、そして自分の後に来たフランス人の同僚徒と共に喜びを共有しました。
教育
最後にやったのは教育です。
自分が教えることになったのは8~10歳の子たちです。
当初は1つのクラスで全体に教える予定でしたが、実際に現場を見て、先生の数は足りているし、無理に自分が入る必要はないと感じました。
そこで以前から子供たちが英語を話せるのに読めないし書けない(皆ではない)、識字率の低さに気付いていた私は、先生がクラスで授業をしている間、成績があまり良くない生徒と1対1で一緒に本を読みながら彼らが読めなかった単語をピックアップして、毎日宿題として彼らにやってもらうようにしました。
そして毎週金曜には確認の小テストを作り、彼らに受けてもらってました。合格ラインを設定し、達成した時にはアイスを買ってあげたりもしました。
教育者としてド素人ながら、試行錯誤自分なりにやれることをやりました。
非日常が日常になったガーナ生活
日本から遠く離れたアフリカの地、何もかもが違う生活で多少戸惑いはありましたが、私はそこまで苦ではありませんでした。
バケツシャワーや穴トイレ、しょっちゅう起こる停電など、初めはしんどかったですけど、すぐに慣れ、帰国する頃には当たり前になっていました。
普段の生活は午前はそれぞれの活動、午後はそのエリアで活動するボランティアみんなが集まってリーディングクラスを行ったり、スポーツや現地語レッスンなどのアクティビティをしたり、週末は同僚たちと旅行に行ったりといった感じでした。
私にとっては、活動以外の同僚たちと過ごすリフレッシュの時間はとても大切でした。
週末の旅行以外にも、平日活動後にバーへ行って一杯飲みながらトランプをしたり、ゲームしたり。
またタイミングが良かったのか私が10月末に渡航してから、2月中旬まで日本人の同僚が1人も来なかったので、周りは欧米からの同僚だけで英語を伸ばしたい私にとっては最高の環境でした。
そのうち何人かとは本当に仲良くなり、今でも連絡を取り合っています。
食事に関しては、ホストマザーが料理上手で本当に美味しかったです。
個人的にはガーナ料理好きになりました。
出されたものは、基本的に何でも食べれました。
中でも好きだったのは、ジョロフライスとバンク―という料理です。
ジョロフはご飯をトマトなどと一緒に炊いたもの、バンクーはキャッサバやコーンなどをすりつぶし発酵させたもので、結構臭いがきつく、多くの同僚たちは苦手と言っていましたが、私は大好きでした。
ガーナへ行く機会があればぜひ試してみてください。
相手を尊重することの大切さ
まず思うのは、現場を実際に足を運び、自分の目で見て感じる事の大切さです。
これまで画面の奥でしかなかったリアルなアフリカを見れたのは、自分にとって本当に大きなことでした。
そして国際協力をしていく上で大事なのは、当たり前のことかもしれませんが 「常に現地の人や文化を尊重すること」だと改めて感じました。
いわゆる先進国と呼ばれる国々がする支援、それが本当に必要なのか、現地の人は何を必要としているのか。
長期滞在でたくさんの人に触れ合い、仲良くなり、共に過ごす中で、常に相手に寄り添って行動することが重要だと学びました。
またガーナ滞在中、明らかに悪意を持って「チャイナ」と言われたり、新型ウイルスの流行に伴い「コロナ」と言われたことも一度だけありました。
自分がマイノリティになったことで、差別をされる側の立場になったことも大きかったです。
日本で暮らす外国人に対して親切でありたいと一層思うようになりました。
さらに強まった国際協力への想い
今回のガーナでの経験を経て、私はさらに国際協力に打ち込みたくなりました。
ガーナでの滞在は、良いことばかりだったわけではありません。
上記の差別に加え、しょっちゅうある停電や部屋に大量に入り込んでくる虫、ハマターン(サハラからの季節風)により体調を崩したりと、正直しんどいこともありました。
それでも最後までやり切れたのは、現地スタッフやホストファミリーを始め、多くの現地の人たちが常に自分を支えてくれていたからです。ボランティアという立場でしたが、自分が彼らに助けられたことの方が多い気がします。
遠く離れた異国の地、自分一人じゃ何もできないことを痛感しました。
そんな彼らのために何かしたい、少しずつでも恩返ししていきたい、今はそんな気持ちでいっぱいです。
それでも今の自分に出来る事は理解しているつもりです。
もっと自分を磨いて、いつか彼らの下に戻れるように。
今回の経験を学生時代の思い出で終わらせないよう、ガーナで感じたことを大切にこれからに活かしていきたいと思っています。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。