とにかくモンゴルに長期旅行がしたい!という思いがありました。
丁度仕事を退職し、なかなか希望の職場が決まらないとき、これは思い切ってモンゴルへ行こう!と思い立ちました。
モンゴルには何度か旅行に行ったことはあったので、今回はただ旅行するだけではつまらない、何か面白い企画はないかしらと探していたところ、プロジェクトアブロードに出会いました。
私は歯科衛生士として日本で働いていましたが、国際ボランティアなんてまったく遠くの世界の話と思っていました。
英語は旅行会話程度だし、ましてモンゴルの言葉なんてまったく分からないので、今回は遊牧民を体験しようと説明会を訪れました。そこで「歯科衛生士の参加できる医療プロジェクトがありますよ」とお話をいただき、言葉の不安はもちろん、またモンゴルに行って何ができるのかもわからないまま、勢いに任せて参加することを決めました。
私を受け入れてくれたのは、モンゴルはウランバートルにある、Central Clinic Hospital です。
言葉が一番の不安要素である私は緊張して、担当の医師と対面しました。開口一番「初めまして」とはっきりとした日本語が聞こえてきて、とても驚きました。この病院には日本に留学経験のある医師が何人かおられ、私が配属された口腔外科にも日本語を話す医師がおり、ほっと胸をなでおろしました。
言葉の問題はクリアしたとして、次はモンゴルの歯科事情を全く知らない私は、ここで何をすればよいかという問題がありました。でもそれもモンゴルの医師よる説明と、患者を診ることで徐々に分かってきました。
モンゴルの人たちは、口の中への関心が薄く、虫歯なども顔がパンパンに腫れるまでほったらかしにして、やっと治療に来る人がたくさんいる状況でした。そのため口腔外科ではまず腫れた膿を出し、その後歯を抜いてしまう治療がとても多く驚きました。そういった状況は口腔外科の医師も危惧しており、口腔ケアの必要性を啓発していきたいと話しておられました。
モンゴルでは去年初めての歯科衛生士が卒業したとのことで、口腔ケアはこれから伸びていく分野です。まずは歯科衛生士の必要性を知ってもらうために、日本における急性期、周手術期の口腔ケアの成果をモンゴルの医師とともに病院スタッフに向けて発表をしました。
次に、モンゴルの卒業を控えた歯科衛生士学生と交流する機会を与えていただき、病院の待合室で学生と共に、診療をまつ患者に向けて歯ブラシ指導を行いました。モンゴルの学生はとても良く勉強しており、しっかりと準備をして臨む姿に感動を覚えました。
このプロジェクトでは、モンゴルの方たちが実に積極的に考え、動いており、私は彼らにほんの少しのアドバイスとお手伝いをしただけでしたが、私自身が学ぶことが多く、今までにないすばらしい経験ができました。
仕事でも、ステイ先でも、モンゴルの人たちは非常に細やかな気遣いをしてくれました。お菓子も、食事も常に皆でシェアし、困った人にはとことん親切にする。
そんな彼らが私は大好きなので、また何かの機会にモンゴルへ戻ってきたいと思います。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
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