発展途上国に教育を普及させたい
このプログラムに参加した理由は、私の将来の夢が発展途上国に教育を普及させることで、高校生のうちに海外ボランティア留学に行きたいと考えていたからです。
高校生だけで活動でき、またボランティア以外の時間も現地スタッフの方が一緒にいてくださるということからプロジェクトアブロードに申し込みました。
一番の決め手は、発展途上国でチャイルドケアのボランティアをできるという自分にピッタリのプログラムがあったことです。
毎日のボランティア活動
小学校での活動は2週間のうちに6日間ありました。
プノンペンの滞在先から約1時間かけてバスで行きます。
午前中はグループに分かれて幼稚園生から小学生に授業を行い、午後には教室のペンキ塗りや焼却炉造り、図書館の壁のデザイン、街のごみ拾いなどの地域奉仕活動を行いました。
私は、日本人とイギリス人の3人と一緒のグループで、小学4年生の授業を担当しました。
一緒にスポーツをしたり歌を歌ったり、簡単な英語や日本の文化を教えたりしました。
私は日本から縄跳び、サッカーボール、鍵盤ハーモニカ、おりがみを持っていき、学校へ寄付しました。
それらで一緒に遊んだときの子供たちの笑顔は忘れられません。
鍵盤ハーモニカはカンボジアにはないようで、初めての楽器に興味津々でした。
一方、子供たちとのコミュニケーションには一苦労しました。
カンボジアの英語教育はあまり進んでいなく、私が担当した子供たちも挨拶と自己紹介ができる程度の英語力だったので、お互いに伝えたいことをちゃんと伝えられないもどかしさがありました。
しかし、慣れてくるとジェスチャーや表情から言いたいことが分かるようになり、だんだん言語を介しなくても一緒に楽しめるようになりました。
言葉が通じなくてもコミュニケーションは取れると改めて実感しました。
午後の活動では、私は主に教室のペンキ塗りを担当しました。
ローラーで壁を塗るという慣れない動きで筋肉痛になったけれど、教室すべての壁を塗り終えたときは疲れが吹き飛ぶくらいの達成感でいっぱいでした。
また、午後にはキリングフィールドやトゥールスレンといったカンボジア大虐殺に関連する施設を訪れることもありました。
当時の悲惨な状態が残っている拷問施設や、遺体や白骨の写真を見るのはとても辛かったですが、今まで知らなかったカンボジアの暗黒な歴史を学ぶ貴重な経験になったと思います。
週末はシェムリアップへ旅行に行きました。
プノンペンとは雰囲気の違う街で様々な魅力がありますが、なかでも早起きして見るアンコールワットからの日の出は壮大です。
快適に過ごせた滞在先
滞在先はプノンペンにあるホテルで、ルームメイトは日本人でした。
部屋はきれいで朝食は美味しく、とても快適に過ごすことができました。
夜ご飯はスタッフさんがレストランに連れて行ってくれます。
カンボジアの料理が口に合うかどうかが渡航前唯一の心配でしたが、アモックやカンボジアンカレー、ロックラックなど私が食べたカンボジア料理はすべて美味しかったです。
ほとんどのレストランにパスタやピザ、ハンバーガーなどの料理もあるので、カンボジア料理が口に合わなくてもそれほど心配しなくて大丈夫です。
将来の夢の具体化へ
カンボジアの小学校は二部制で授業時間が短く、教師の数も足りていません。
校舎の状態もあまり良くないので、勉強に適した環境が整えられているとは言い難いです。
しかし、私が出会った子供たちは明るく前向きで、希望にあふれていました。
教育の普及はもともと漠然と考えていたことでしたが、カンボジアでのボランティアを通して「やる気や意欲はありながらも環境が十分でない、そのような子供たちが輝ける社会を創るために教育を普及させたい」という将来の目標に対する思いがより強くなりました。
そして、そのために今自分が何を思いどう行動するべきか考えていかなければならないと実感しました。
現在はアメリカの大学に進学して国際関係学を専攻するために、勉強や課外活動を行っています。
この2週間で得たかけがえのないもの
カンボジアでボランティアを行ったのはたったの2週間でしたがたくさんのことを得ることができました。
チャイルドケアや地域奉仕活動での経験はもちろん、初めての一人での渡航、異国の地での生活、日本語以外の言語でのコミュニケーションなどすべてが自分にとって大切な経験です。
世界中の高校生と繋がることもできました。
ルームメイトとはもちろん仲良くなり、また日本で遊ぼうと話していますし、特に仲良くなったイギリスの子は、高校卒業後にギャップイヤーを取って日本に絶対に来ると言ってくれています。
このプロジェクトは今までで一番の思い出で、かつ自分の将来を考える上で欠かせない経験となりました。
今回関わってくれたすべての方に感謝しかありません。
ありがとうございました。
これから参加する高校生へ
海外ボランティアに参加するか迷っている人は絶対に参加した方がいいです。
具体的な目標が決まっていなくても、目標が決まっている人も、実際に発展途上国に行って現場を経験することは将来への大きなアドバンテージになること間違いありません。
ぜひ海外ボランティアに参加してみてください。
その経験は必ず将来への糧になります。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。