好きになるってわかってた
参加のきっかけは、もともと海外ボランティアに興味があり、先⽣に夏休み中のボランティアに参加するのを勧められ、偶然友達が昨年プロジェクトアブロードに参加していたことです。
渡航前は、興奮7割、不安3割ぐらいでした。
渡航の前⽇までは、カンボジアってどんなところなのかとか、⼦供達となにしようかなとか楽しいことばかり考えていましたが、前⽇の夜になって突然、現地で合流できなかったらどうしようとか、⾔葉通じなくってなにもできなかったらどうしようみたいな不安ばかり考えるようになりました。
でも、なぜだかはわかりませんが、渡航する前からカンボジアのことを絶対好きになる予感がしていました。
小学校でのボランティア活動
私の参加した⾼校⽣スペシャルの活動内容は、⼩学⽣のカンボジアの⼦供達に英語を教えたり、校舎の壁を塗り替えたり綺麗にすること、また⼦供達と遊ぶことでした。
実際の活動場所は、宿泊先から⾞と船でおよそ⼀時間半くらいの⼩学校です。
私達は三つのグループに分かれて、それぞれ⼩学校三、四、五年⽣を受け持ちました。
⼦供達はすごく⼈懐っこくて、初⽇からハイタッチをするために集まって来てくれて、まるで芸能⼈が来⽇する時の空港みたいでした。
爆笑のはじまりから奮闘まで
一番印象に残っている出来事は、⼀番最初に⼦供達にした⾃⼰紹介です。
初⽇の授業の初めに、私達はクメール語でそれぞれ⾃⼰紹介をしました。
⼦供達が興味津々な表情で私達を⾒つめる前で、私も他のメンバーと同じように「クニョムチモッミオ」というと、⼦供達が爆笑し始めました。
その時の私には、⼦供達が笑う訳がわからなかったのですが、その後から⼦供達は私のことを「ミャオ」って呼ぶようになりました。
それを聞いて、あの時なんで⼦供達が笑ったのか納得しました。
私の名前が猫の鳴き声に似ていたからです。
この⾃⼰紹介のおかげで、私はたくさんの⼦供達に「ミャオ」って呼ばれながら仲良くなることができました。
⼤変だったことは、私達の⼀番の活動である、⼦供達に英語を教えるということです。
授業がある前⽇にポスターを作ったり、どういう⾵に授業を進めるか話し合って準備をし、当⽇に臨みます。
どうやったら⼦供達が飽きずに授業を楽しめるか、覚えてくれるか、それを考えるのはとても難しかったです。
また⼦供達は⾔葉をどうやって発⾳するのかは覚えてくれるのですが、スペルを覚えるのは難しいみたいで、ノート等があまり普及していない中、スペルを覚えてもらうのは⼤変でした。
そんな授業の中でも、⼦供達が頑張っている姿を⾒るのはとても微笑ましく、私⾃⾝も楽しく授業ができました。
カンボジア生活
滞在先はプノンペンにあるホテルで、快適すぎるぐらいに快適に過ごせました。
⾷事は、朝はホテルのブッフェで、お昼は活動場所から近い島のレストランで⾷べることが多かったです。
夜ご飯は、スタッフさんがおいしいレストランに連れて⾏ってくださいました。
滞在先のルームメイトはそれぞれ国ごとに分けられて、私のルームメイトは⽇本出⾝でコロラドの⾼校に通う⾼校⽣でした。
部屋では⽇本語で話せる友達がいたので、ストレスや不安などは特にありませんでした。
見つかった私の羅針盤
私はこのプログラムを通して、⾃分の価値観や⼈⽣観、まとめて⾔えば、私の⼈⽣での「羅針盤」が定まったような気がします。
もともと⼈のために何かをするということが好きでしたが、このプログラムに参加をして、私は⾃分のために⼈のために働きたいと思うようになりました。
というのも、カンボジアで英語を教えた時、壁にペンキを塗っている時、⼦供達と遊んでいる時、どんな時でも楽しんだり喜んだりしているのは現地の⼈だけでなく、私⾃⾝も同じだったからです。
⼈は、⾃分のためにならなんでもできる⼈間だと思います。
私は、⾃分のために⼈のためになる事ができる⼈間になりたいと思います。
私は将来、具体的なことはまだ決めきれていないのですが、発展途上国など、困っている⼈を笑顔にできる仕事がしたいです。
私は今回のプログラムに参加して、発展途上国だから不⾃由な暮らしをしていて可哀想、などという偏⾒がこの世の中にあることがとても恨めしく思えました。
少なくとも私がカンボジアで会った⼈たちは、全然「可哀想」な⼈たちで はありませんでした。
むしろ、私達のようにたくさんのビルに囲まれて⽣きている⼈間より、⾃然を感じ、⼈に感謝し、とても豊かに⽣きている幸せな⼈ばかりです。
私はあの笑顔の可愛い⼦供達が⼤⼈になって、世界の不条理を知っても、なお幸せに⽣きることができるように、⼿助けができる仕事がしたいです。
そのために、⼤学ではグローバル経済学、もしくは総合グローバル学部で、世界中の問題、そして解決⽅法を学びたいと思っています。
同じ世界が新しい世界に見える今
今回のプログラムに参加して、私は学んだこと、感じたことが多すぎたのかも知れません。
プログラムに参加する前から通っていた⾼校に戻ってみると、感動することばかりでした。
私が⽣活している環境は誰のおかげで成り⽴っているのか、私が今⽇、今できることは何なのか、毎⽇が新しい発⾒でいっぱいです。
少し⼤げさな⾔い⽅かも知れませんが、今までは当たり前だと思っていたものが全て、尊いものに感じます。
私はスイスの⽥舎にある⾼校に通っているのですが、残りのスイスでの時間がどれだけ短いのか、今を⼤事に⽣きなけ ればいけない、そんなことを実感することができたのは、このプログラムのおかげです。
⼆週間、私達メンバーを⽀えてくださったスタッフさん、ホテルスタッフさん、プロジェクトアブロードの社員さん、そして家族に、感謝して⽣きたいと思います。
ありがとうございました。
これから参加する高校生へ
この経験は、価値観を丸ごと変えてしまう経験になります。
決して、ボランティア時間を稼ぐためだけだから、などの理由で、現地でも⼈と関わることを避けたりしないでください。
⾃分の⽬で⾒たもの、感じたことを噛み締めてください。
直感でも何でもいいので、好きだと思ったことを忘れないでください。
カレーが美味しかったとか、⼦供達が可愛かったとか、どれだけ些細なことでも、⼼に引っかかったことを覚えていてください。
将来、ボランティアとして働くかどうかは関係ありません。
現地で出会ったもの全てが、私達の視野を広げ、⽣活を豊かに変えてくれるはずです。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。