ずっとあった想いを現実へ
祖父母が田舎で農業を営んでいたことから、幼い頃から自然と触れる機会が多かった。
この経験から大学では環境保護に関する学問を専攻し、いつかは実際に大自然の中でその地域のための活動をしてみたいと漠然と考えていた。
来年から大学院を卒業し働き始めるため、今年が最後のチャンスだと思い、環境保護という項目でいくつかのボランティア団体を検索した。
アフリカに惹かれた
環境保護に関するプログラムは、アジアや南米、アフリカで多くの活動が用意されていたが、今まで訪れたことがなく、大自然のイメージが一番強かったアフリカに一番興味を持った。
プロジェクトアブロードは、ケニアと南アフリカに魅力的なプログラムを有しており、最初に見つけた時に非常に魅力を感じた。
期間や参加タイミングもかなり自由が利くようになっており、研究等で自由に休みの取りづらい自分にとってはベストな条件だった。
少し金額の方が高くついたが、一生のうちに何度もできる経験じゃないし、調べているうちに信頼できる会社であることが分かったので、利用させていただいた。
南アフリカのプログラムと悩んだが、活動内容は大きく変わらず航空券の経路が南アフリカに比べ楽だったこと、宿がしっかりしていると聞いたこと、ネット環境があること、近くに大きな町があることなどの理由からケニアを選択した。
環境保護ボランティアとして
月曜から金曜が活動日で、8時半~12時半と14時~17時のだいたい7時間ぐらいが一日の活動時間だった。
しかし、これはあくまでも目安で、肉食動物のモニタリングに行くときは6時から8時まで活動したり、14時半から19時まで活動したりするときもあった。
活動内容によって大きく前後はある。
3週間で行った内容は、肉食動物(ライオン、ハイエナ等)、キリン、サルの数を数える活動、学校の床づくり、地域の民家を訪ねエコストーブづくり、植林、毒を持つ植物の除去、ごみ拾い、罠とりなど体験できた。
その他に野鳥観察や、壁のメンテナンスなどの活動もあったが、今回は参加できなかった。
エコストーブづくりや学校の床づくり、植林では現地の人々とたくさん交流できた。
全ての活動で現地のボランティアメンバーが丁寧に明るく先導してくれたため、非常に有意義な活動を送ることができた。
不自由のないケニア生活
個人的には不自由のない生活を送らせてもらえた。
シャワーはお湯が出るし、トイレは水洗でトイレットペーパーも流せるし、部屋の清掃も行ってくれるし、なにより料理がおいしかった。
夕食前に出るスープは絶品だった。
夕食後は本を読んだり、日記を書いたり、トランプをしたり比較的みんな自由に過ごしていた。
自分は英語が得意ではなかったのだが、その中でもみんなフレンドリーに接してくれ、非常にいい経験ができた。
特に現地のボランティアメンバーは本当に楽しく、自分から積極的に交流を図る姿勢さえあれば、楽しく生活できると思う。
朝昼の寒暖差は15度くらいあり、雨季には一日に一回は雨が降るので上着は必ず持って行った方がいいと思う。
活動用のしっかりした靴と、スニーカーなどの普段用の靴、部屋用のサンダルがあるといいと思った。
あと、ドライヤーはない。
ケニアでの経験から得た気づき
現地の人々と接する機会は多くあったので、現地の生活を把握することはできた(一部の範囲ではあるが)。
自分は、土日をつかって現地ボランティアメンバーのコーヒー農園にお邪魔させてもらったのだが、その時に使ったバケツシャワーやトイレなどは非常にいい経験になった。
これらの経験から、ストレス耐性は格段に上がったし、日本で自分がいかに快適な生活を送らせてもらえているかということを再確認した。
また、現地の学生から将来への不安を聞いたことから、選択肢がこれだけある日本にいるのだから、日々の時間をもっと有効に使おうと考えられるようになった。
メンバーは世界各国から集まっているため、国際交流も頻繁にはかることができ、貧しい英語力ながら友好関係を築く能力も養うことができた。
また、自分がいかに贅沢な環境にあるかということを実感できた。
現地の方々と接するうちに、自分もなにかこの現状を打開できるような働きかけをできないか、と考えたタイミングもあった。
現段階ではそこまで大きいことはできないが、幸い来年から海外と交流の多い企業で働くため、そこで自分の出来ることを精一杯やろうと思えるようになった。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。