留学の決意

大学へ進学する前に自身の英語力向上とグローバルな視野の獲得のために短期留学を考えていた時、プロジェクトアブロードの存在を知りました。

単なる語学留学と違い、ボランティア活動やインターンシップ活動を通じて、発展途上国の実情を学べてなおかつ社会に貢献することができるという点に魅力を感じ、このプロジェクトアブロードを選びました。

さらに、地元で行われた説明会ではOB・OGの方のリアルな体験談を直に聞くことができて、なお留学への期待は高まりました。

医療をこの目で確かめたい

選んだプログラムは医療でした。

大学進学に際して、医学部を志望しており、高校生の今の時期に、医療とはどのようなものかこの目で確かめたかった、そして、日本と比べると衛生環境が良いとは決して言えないような地域での医療の在り方がどのようなものか知りたかったというのが選んだ理由です。

また、留学の地にスリランカを選んだのは、この留学の少し前にインドに行く機会があり、その際、南アジアの風土の魅力や光景の美しさが心に残ったからです。

スリランカ到着

楽しさに胸を躍らせ乗った国際線。

いったいどんなことが私を待っているのだろう、期待は高まっていきました。

しかし、そうはいっても、初めての一人での海外。

日本人も少ない中でやっていけるのだろうか、そんな不安も同時に募っていきました。

着いたのは、スリランカ、バンダーラナーヤカ国際空港。

現地スタッフにホームステイ先まで案内してもらい、ホストファミリーや同じホームステイ先のボランティア仲間と拙い英語で挨拶。

皆とても優しく、快く私を受け入れてくれ、私の不安は杞憂に終わってくれました。

いざ、活動開始

活動先の病院では、外科と緊急診療科を見学させてもらいました。

外科での見学では、入院患者の回診のみならず、手術室での見学も行うことができました。

手術室の見学の際は、実際に緑の手術服にきがえて手術室に入ります。

目前でなされる手術は初めて見たこともあり、少し衝撃的でしたが、それを上回る外科医の技術を目の前で見ることができたことのうれしさがありました。

実際に、見学した手術には、帝王切開や盲腸など日本でもなじみのある手術の他、なかなか医療に掛かれないため悪化した皮膚壊死のための皮膚移植手術などがありました。

さらには、ガウンを着て手術台に立ち、鉗子の保持など、たとえ初歩的であったとしても実際に手術のお手伝いをできたことも大きいです。

緊急診療科においては、医師や看護師の仕事をじっくり見学することができ、そして、機器の使い方など医療初心者の私に懇切丁寧に指導してもらえました。

住めば都、スリランカ生活

日本の生活と比べると、確かにいくらかの不便を感じるかもしれません。

スリランカの昼間の燃えるような暑さや、夜中の蚊の煩わしさは日本では味わえないでしょう。

けれども、住めば都とはよく言ったもので、1週間も経てば、その生活様式の違いなんかにも慣れてくることと思います。

スリランカでは、交通機関に鉄道がありますが、ほとんど使うことはありませんでした。

駅間隔も広く、往来も頻々とは言えません。

現地でのメインの交通手段はバスです。

通勤の際や休暇の際など、使わない日はほとんどないといっていいでしょう。

日本のバスと比べてしまうと少し荒々しく感じるかもしれませんが、これもすぐになれることかと思います。

グローバルな参加者

ボランティアは、欧米の各地域から多くの人が集まります。

日本について多くのことを質問されました。

その際もっとも印象に残っているのが、「日本の憲法には戦争の放棄が書かれていて、日本は平和の国なんだよね?」という質問でした。

海外の方々に、日本が平和の国として浸透していることをうれしく感じました。

そして、ノルウェーやデンマークの北欧文化や、イスラエルの現状、多くの海外文化をボランティアの方々から学びました。

さらには休日に彼らと一緒にスリランカ各地へ旅行することができたのも、これ以上ない経験です。

このような国籍を超えた交流は、なかなか味わえないものかと思います。

とても貴重な経験でした。

期待を裏切り、上回った一か月

今、この時期に医療について学べたことで、医学を学ぶことへの期待が大きくなりました。

多くの海外の医学生と交流することができたのはとても刺激的でした。

一方で、語学の壁を感じたのも事実です。

自国について伝えるときでさえ言葉が詰まることも往々にしてあり、さらなる語学勉強の研鑽を積むことへの動機づけになりました。

兎にも角にも、この一か月間は期待をよい意味で裏切ってくれる一か月間でした。

とても楽しい一か月間でした。

本当にありがとうございました。

プログラム詳細へ

体験談一覧へ

スリランカで医療 大町誠也

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。