小児科医になって国際協力に携わりたい
私は2024年2月7日から4週間ケニアに滞在し、医療インターンシップとチャイルドケアプログラムに2週間ずつ参加しました。
経験したことを一部紹介します。
私は現在医学生で将来は小児科医になり国際協力に関わりたいと思っています。
そこで発展途上国の医療を知りたいと思い、海外ボランティア団体としてプロジェクトアブロードを見つけました。
一生のうち一回はアフリカに行ってみたいという気持ちがあり、また日本の友達が一緒で親を説得しやすかったという理由からケニアに行くことにしました。
医療インターン活動
活動先はナニュキという街でナイロビから車で3時間ほど離れた場所でした。
イギリスの軍隊がある関係で比較的治安が良く、日常生活で危険を感じることはありませんでした。
医療インターンシップではNanyuki Teaching and Referral Hospitalという総合病院で小児科、ER、外科を回りました。
小児科病棟ではマラリアや低栄養など日本ではあまり見ない症例を経験出来て興味深かったです。
患者さんと医師の会話はスワヒリ語なので状況や患者さんの話を自分から質問する必要がありますが、質問に快く答えてくれる医師が多かったです。
病棟内はハエが飛び回り、またスペースがないため結核患者を隔離しておらず、環境面では改善の余地があると感じました。
ERではあまり日本との違いを感じませんでしたが、比較的暇なときにみんなでお茶とお菓子を楽しむ時間があり、いい文化だと思いました。
外科では手術室は2部屋ですが効率よく手術を行い、1日に6,7件の手術をしていました。
手術は主に執刀医1人と看護師1人の2人で行っていました。
大腸憩室の手術では腹腔鏡がないため開腹で、しかもCTもとらずに手術していたことに驚きました。
チャイルドケアボランティア活動
チャイルドケアでは郊外の小学校に行き、先生の手伝いをしました。
私は4歳児のクラスで、ちょうど3日間テストの日だったので採点やスコアの計算などを手伝いました。
休み時間には校庭で他の学年の子供達とも遊んで楽しかったです。
課外活動
プログラムの他にも様々なアクティビティがあり、他のボランティアとの友好を深めることができました。
特にアフリカの伝統的なダンスのレッスンでは衣装やメイクをしてリズムに乗って動くのがとても楽しかったです。
週一回行くアウトリーチでは、普段なかなか病院に行けない村の人々に医療物資を届けました。
砂埃の影響で咳や目の痛みを訴える人が多く、マスクの必要性を感じました。
また日本に比べて若い年代の出産、多産家庭が多く、家族計画をすることが貧困問題の解決につながると思いました。
しかし部族によっては子供が多いことが裕福さの象徴と考えられており、その考えを尊重しつつ家族計画を勧めることは簡単ではないと感じました。
快適だったケニアでの生活
生活面では、ホストファミリーの家は安全で熱いシャワーもあり特に困ることはありませんでした。
食事に関してはウガリやチャパティなどケニアの伝統的な料理だけでなく、米やパスタ、パンケーキなど様々な形態の食事を食べられました。
使われる食材は豆やイモが多く、フルーツもたくさん食べることができました。
各家庭にウォーターサーバーがあり飲み水に困ることはなかったです。
昼間は暑いですが風があり乾燥しているため日本の夏よりも過ごしやすく、朝と夜は比較的寒い気候でした。
思い出深い週末の経験
週末はホストファミリーと教会に行ったり、他のボランティア達と観光地に遊びに行ったりしました。
特に1泊2日で行ったサファリツアーでは多くの動物や綺麗な夕日を見ることができ、とても感動しました。
豪華なホテルの食事やプールも楽しむことができ、人生に残る良い体験になりました。
経験しないと得られない学び
このプログラム参加を通じて、ケニアでの暮らしはこれまで想像していたよりもずっと快適で豊かなものだと学びました。
ケニアの人々はとても明るくてフレンドリーで、歩いているとすれ違う人全員が笑顔で挨拶してくれます。
子供達も外の世界に興味津々でたくさん質問してきたり、遊ぶものがなくても歌やダンスをして楽しんだりしていて、心が豊かだと感じました。
今回私が見たのはケニアのごく一部だと思いますが、人々は自分たちが貧困だとは決して思っていませんでした。
むしろケニア人としての誇りを感じて暮らしていました。
ただ医療資源や知識、技術に関しては日本のほうが進んでいるところが多く、手助けできる点が多いように感じました。
できることから少しずつ
これらの学びをこれからの人生にどう活かすかは正直まだわかりませんが、自分にできることは何かを日々考えながら、まずは日本で一人前の医師になれるように努力を重ねていきたいです。
最後になりますが、この4週間の活動を支えてくださったプロジェクトアブロードのスタッフの皆さん、現地でお世話になったCarol、Emma、George、Scott、出会ったボランティアのみんなに感謝申し上げます。
ありがとうございました。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。