日本人が少ない環境で途上国の医療を

まず、僕がプロジェクトアブロードを初めて知ったのは、高校の先生からの勧めがあったからでした。

かねてから途上国でのボランティアに参加したいと考えており、そこで先生から、高校生向けにボランティアプログラムを行っている団体があるよと教えていただきました。

それがきっかけで、高校生向けの、ネパールで行われる、メディカル中心のボランティアプログラムに参加することとなりました。

参加する決め手となったのは、参加する日本人が少ないことと、途上国での医療に興味を持っていたからでした。

それぞれの理由は、日本人がいるとその環境に甘えて日本語を使ってしまうかもと思い、せっかく英語の語学能力を伸ばせる機会なのにもったいないなと思っていたところ、日本人が少ないとお聞きしたことで、ぜひ参加したいと思うようになりました。

そして、もともと途上国での医療には興味を持っており、我々が日々お世話になっている先進国の医療とはどう違うのかをよく知ることができるとのことだったので、それも参加したいと思う理由の一つでした。

いざ、ネパールへ

渡航前は特に感じなかったのですが、直前になってこみ上げてきた不安と期待が入り混じった中、私はネパールのカトマンズ空港へ着きました。

到着後、ビザを発行するのに少し戸惑ってしまい、空港を出るまでに一時間弱かかってしまったのですが、それでもプロジェクトアブロードのコーディネーターはすぐに空港から出てきた私を見つけてくださり、心細かった私にとって非常に助けになりました。

また、ホテルに着くまでに目にしたカトマンズの街は、私にとって衝撃的なものでした。

今まで、メディアという情報媒体を通すことでしか目にすることのなかった途上国特有の景色、そして、これから2週間ここで生きていくというイマイチ湧かない実感など、とにかく私の中に入ってくる全ての情報が、新しく体感するものや知るものでした。

ネパールの医療現場

次に、私が参加したプログラムの内容について述べたいと思います。

私が参加したプログラムは、高校生スペシャルという高校生向けのプログラムであり、ネパールでの医療について学ぶというのが主な内容でした。

では、私が経験した具体的な内容について書いていきたいと思います。

プログラムの具体的な体験は、その次の日から始まりました。

そして、その日から拠点をカトマンズからチトワンへと移し、四日連続で、私たちは班ごとに分かれて、それぞれ違う分野の病院を見学させてもらうことになりました。

病院は、ガン治療を中心とした病院、避妊治療など婦人科の治療を中心とした病院、眼科を専門とした病院、そして、総合して様々な治療を行う大学病院の四つで見学させていただきました。

ガン治療を中心とした病院では、実際に患者さんの治療を見学させて頂き、簡易手術の手伝いまでもさせていただけました。

婦人科専門の病院では、性病を患ってしまわれた患者さんへの手術を見学させていただき、とても興味深いものでした。

また、病院で働いていらした看護婦の皆さんがとても明るく、それが病院全体の雰囲気を明るくさせていたのも印象的でした。

そして何より一番興味深かったのは、最終日に見学したチトワンの大学病院でした。

もちろん、日本で一般的な大学病院とは大きく違う点が多かったのですが、その中でもそのギャップに驚いたのは、各々の患者さんがいらっしゃるベッドにそれぞれあまり距離がなく、開放的であったことでした。

つまり、これを言い換えれば、プライバシーがあまり保証されないということでもありますが、皆さんは気にする様子もなく、それどころか楽しげに周りにベッドが位置している患者さん方と楽しく談笑されていたことが、私にとっては衝撃的でした。

プライバシーを気にかけることはもちろん大事なことですが、こうして他の人との距離感が近い生活をすることで、寂しさが紛れてちょうど良いと感じたという人もいて、確かにそれも大事だなと感じました。

他にも自然療法を主とした病院など、都市部から少し離れた病院へ見学に行かせてもらうこともでき、総じて日本では経験できないであろう、とても有意義な医療見学ができました。

ネパール生活のアドバイス

ネパールでの滞在についてですが、主にネパールで生活拠点したホテルは、チトワンという都市に位置するホテルでした。

ホテルの質自体はとても良く、食事やその他のサービスをとってみても、不快になるようなものは一つもありませんでした。

ただ、虫が嫌いであったり、汚れるのが嫌いな方は、慣れるのに少し時間がかかってしまうかもしれません。

なお、水道水を飲むことは厳禁です。

ホテルから無料で水が配給されるので、足りなくならないように、常に気分多めで持っておくといいと思います。

また、ホテルの外へ出る際に土や埃が道に舞い上がってしまっているので、マスクがあるととても助けになります。

料理については、特にこれはまずいといったものはありませんでした。

ただ、アレルギーや嫌いなものがある場合は、機会をうかがっているとすぐに料理が運ばれてきてしまうので、早めにまたは事前に言っておくといいと思います。

人とのコミュニケーションについても、積極的に行くことが大事だと思います。

ルームメイトや他の参加生との会話は、もちろん全て英語ですが、遠慮せずに間違っていても英語をたくさん使って、間違っているものやわからないものは説明してもらってもらえたので、とても楽しいものでした。

コミュニケーションにおいて、英語であることを理由に遠慮してしまうのはとてももったいない、と改めて思いました。

また、基本的にお金を使うことはあまりありませんでした。

お土産を多く買うのであれば別ですが、必要最低限であれば、安全のために買う携帯電話のSIMカードや、国の時に発行してもらうビザにかかる費用ぐらいでした。

なので、100ドルもあれば十分だと思います。

最後に、私が参加したプログラムは医療を中心としたプログラムだったのですが、もし参加されるのであれば、必ず医学用語を英語と日本語の両方を覚えていったほうが良いです。

でないと、医師からの詳しい説明が全く理解できずに終わってしまうので、こればっかりは、自分である程度知識がないと追いつくのが難しいので必ず覚えましょう。

別世界で得た医療以上の学び

プログラムを通して、私が参加前に想像していた途上国の医療というものは、あくまでも表面上だけのものであったと、参加後に実感、そして痛感しました。

衛生環境もさほど悪いものではなく、子供達や患者さんらも貧しいながらも陽気に生きる姿に元気をもらいました。

間違えなく、私がこのプログラムに参加していなかったら知ることもなかったことだろうと思います。

一言で言えば、私が行ったネパールは、別世界に来たという感覚でした。

私が普段住んでいる日本とはそれほどにかけ離れていて、どこか非現実的でした。

こんな雰囲気の国が世界にあるということを、この機会を持って知れたことは、本当に大きいと感じています。

医療のあり方だけでなく、人の生き方も、都市のあり方も、全てが違うこのネパールに来てみるだけでも、価値があると思います。

きっと、世界の考え方そのものが根本的に変わってくると思います。

これから参加する高校生へ

人によっては、英語が苦手であったり、一人で旅行するのが心細かったりして、参加するのを踏みとどまってしまう方もいるとは思います。

私も最初はそうでしたが、飛び込んでみると、案外考え過ぎてしまっていたりすることがあります。

何事も、挑戦無くして始まりません。

高校生のうちにこういった体験をすることは、とても価値があるものだと思います。

ぜひ、皆さんも、自分の知らない世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

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ネパールで医療 柳沢圭亮

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。