世界を舞台に夢への一歩を
私は小さな子どもと遊んだり、話したりするのが好きで、将来は障がいのある子ども達を支える特別支援学校の先生になりたいと思っています。
高校のワールドスタディーズという授業の中で発展途上国について学ぶ機会があり、日本の子ども達だけでなく世界の子ども達とも関わりたいと思うようになりました。
高校の先輩の紹介でプロジェクトアブロードを知り、比較的近く、世界遺産のアンコールワットもあるカンボジアに行くことを決めました。
取り組んだボランティア活動
平日の午前は、船に乗ってシルク島にある幼稚園に行きました。
そこでは主に、子ども達と一緒に遊んだり、英語を教えたりしました。
幼稚園にいるのは、3歳から6歳の小さな子ども達。
アルファベット1つ教えるにも話を聞いてくれない子、他の遊びを見つけて遊びだしてしまう子など、いろいろな子がいるので、教えるのにとても時間がかかったし大変でした。
ゲーム形式にしたり、歌を使ったり、少し工夫をしてみると、聞いてくれる子が増えてきたので嬉しかったです。
プログラムの後半には、子ども達のヘルスチェック、最終日には歯磨きと手洗いの指導もしました。
ヘルスチェックでは、耳掃除やけがの治療、爪の長さの確認、手足にあざが無いかなどをチェックしました。
膿みそうなくらい悪化している傷もあって、コーディネーターさんに手伝ってもらいながら治療することもありました。
歯磨きと手洗いの指導では、同じグループのメンバーと作ったポスターを使って実演しながら、歯磨きと手洗いの方法を教えました。
子ども達が、最初から最後まで楽しそうに聞いていたのが印象的でした。
午後は、別の学校に移動して、壁のペンキ塗りをしました。
午後から雨の降る日が多く、ペンキが垂れてきたり、絵を描いた部分がにじんでしまったりすることがよくありました。
作業を終わらせなければいけないのに、雨の影響で作業が進まない日が多かったので、雨の中作業を進めることもありました。
根気のいる作業でしたが、完成した時にはとても達成感がありました。
見て、学んで、感じたカンボジア
休日は、同じ高校生スペシャルで来ているメンバーと一緒に、週末旅行に出かけます。
1週目は、バスで6時間かけてアンコール遺跡のあるシェムリアップに出かけました。
本でしか見たことがなかったアンコールワットは、すごい迫力があってとても綺麗でした。
2週目は、カンポットの山に登りました。
同じカンボジアとは思えないほど涼しくて、霧がすごいのでたくさん濡れたのもいい思い出です。
また、2週目の平日にキリングフィールドと刑務所博物館を訪れました。
今から約30年前、ポル・ポト政権下のカンボジアで、大量虐殺が行われた場所です。
キリングフィールドでは、実際に処刑された人々の頭蓋骨や死体を埋めた場所を、刑務所博物館では人々が収容されていた本物の部屋や拷問のときに使われていた道具を見ることができました。
部屋の中には拷問の際に出た血の跡も残っていて、言葉が出ないほどのショックを受けました。
自分の無力さとカンボジアの温かさ
本やインターネットで調べて、大体の事は知ったつもりでいましたが、現地は自分が思っていた以上に貧しいものでした。
子ども達の通っている学校の衛生環境は決していいとは言えない、賢い子たちもたくさんいるのに十分な教育を受けられない状況でした。
また、学校を羨ましそうに見ているだけの子どもを見かけることもありました。
それを目にしても今の私たちには何もできず、無力さを突き付けられました。
私たちのあたりまえは世界のあたりまえではなくて、とても恵まれていて幸せな環境にいることを改めて実感することができ、少しでも私たちが出来ることを探さないといけない、と強く思いました。
そんな貧しい環境の中でも、毎日素敵な笑顔を絶やさず抱き着いてくれたり、話しかけてくれる子ども達によって、カンボジアという国の温かさを実感することができました。
心からありがとう
最後に、このプログラムに参加させてくれた両親や、たくさんの情報をくれた先輩、応援してくれた先生方や友達、困っていることがあるといつも助けてくれた優しいスタッフのみなさん、大変なことも楽しいことも一緒に分かち合えるカンボジアでできた友達に感謝しています。
本当にありがとうございました。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。