医療の世界を幅広い視点から見てみたい
僕は発展途上国の生活に興味がありました。
また、将来医療系の仕事に就きたいと考えており、医療の世界は幅広いので、日本の医療だけでなく違う視点での医療も感じてみたいと思っていました。
そのすべてを経験できるネパールの医療プログラムに参加しました。
高校生医療ボランティアとして学ぶ日々
ネパールのチトワン地区、バラトプル市内の4ヶ所の病院を巡り、それぞれの病院の視察を中心に行いました。
街の小さな病院から地域屈指の大病院まで規模はさまざま。
病院内の様子を見学し、各診療科の病棟に入って病院内の施設や設備からX線の検査写真や患者の情報まで多くのものを見ることができました。
また医師や看護師に誘導してもらって救急処置室、ICU、オペ室にも入る機会がありました。
日本では滅多にない経験で、初めて外科医が手術をしている現場や、交通事故に遭ってしまい命が危ない患者さんを目の当たりにしました。
また、人の解剖、人の臓器も見ました。
やはり、机上で学ぶこと以上に人体の仕組みについて興味が湧き、多くの気づきを得ることができました。
学んできたこと、自分の想像とマッチングした点もあれば、思ったよりも構造が緻密であったり大きかったりと、初めての発見もたくさんあります。
グループごとに分かれ、現地の小学校に出向いて歯磨きの仕方や新型コロナウイルス、デング熱について説明する機会もありました。
子供たちが楽しんで聞いてくれるような説明はどうしたらいいか、どのようにユーモアを交えるかなど、オーストラリア人の仲間と一緒に工夫を凝らして考えたのも良い思い出です。
その他、ホテルに現地の医師を招いて医療知識や地域特有の病気についての講義をしてもらったり、ネパール語レッスンやダンス、ヨガクラスなど、ネパール文化に触れ合う機会もあり思いっきり楽しみました。
生活面での不便も、今思えば貴重な経験
16日間現地のホテルに滞在していましたが、その生活は日本とはまるで違いました。
まずは、衛生環境。
水道水は絶対に飲めません。
一度間違えて口に含んでしまいましたが、ひどい味がしました。
また、僕がこのプログラムに参加した季節は冬で、乾季真っ只中だったので粉塵が舞っており、空気が非常に悪く、マスクなしでは過ごすことができないほどでした。
ホテルの窓も、壊れていて締め切ることができませんでした。
外の騒音は全て聞こえ、夜と朝はホテル内も非常に寒かったです。
ホテルのシャワーも、調子によっては水しか出ない日もありました。
突然の停電も起きました。
日本と比べて不便な点は数え切れないほど挙げられますが、それを肌で感じることができて、今では非常に貴重な経験ができたと思っています。
そして、当時は大変に感じたこともありましたが、その生活にも次第に慣れていきました。
スタッフはその状況下で暮らしていくために多くのコツを教え、いつもみんなを気にかけてくれています。
質問も要望も親身に答えてくださったので、とても感謝しています。
ホテルでの食べ物はビュッフェ形式で、種類は少ないですが不自由はしませんでした。
フルーツやナン、イモ類は特に美味しかったです。
同じプログラムに参加していた外国人との交流も楽しかったです。
ただ、向こうから寄り添ってくれることは少なく、自分から話しかけたり外国人の輪に入りに行かないといけなかったので、初めは苦労しました。
慣れてきて自分の英語のミスも気にならなくなってからは、積極的に、互いに盛り上がって話せました。
みんなでカードゲームをして遊んだりカラオケをして楽しんだ夜の記憶は強く残っています。
新鮮な気づきと発見、そして財産
濃密な2週間でした。
もともと、医療や地理、発展途上国の生活には興味があり、予備知識はある程度もってプログラムに臨んだのですが、「百聞は一見に如かず」という言葉が頭の中に何度も浮かぶほど、新鮮な気づきと発見が山ほどありました。
とにかく自分で足を運んで日本とは遠い国を感じることで、自分の視野が広がり、日々の生活に対する考え方が変わりました。
そして、万全ではない医療体制や、古すぎる医療器具、においがきつく清潔ではない病院内など、まだまだ課題は多いことを知り、将来なんらかの形で必ず貢献したいという強い思いが生まれました。
目標に向けての日々の努力のモチベーションが上がります。
外国人の輪の中に入る勇気も、この2週間で身につけることができました。
英語でコミニュケーションをとり、お互いに話をする中で、とても仲良くなった友達も何人かできました。
外国まで人脈を広げられたことは、僕にって財産です。
これから参加する高校生へ
別世界に飛び込んだことで、価値観が変わり、視野が広がり、多角的な考え方が養われました。
そして、より学ぼう、知ろうとする貪欲な好奇心も自然と生まれてきます。
今参加するかどうか迷っている高校生もいると思いますが、非常に濃く貴重で楽しい2週間が待っています。
英語力ももちろん大切ですが、何より主体的に学ぶ姿勢こそが鍵です。
準備、渡航、プログラム途中など、大変で辛いことは多いかもしれません。
しかし、それらは後々マイナスに働くことなど一切ありません。
僕は12月の2週間という短い期間、すべてが最高の思い出に変わり、すべてが未来を生きる糧となりました。
勇気を出して参加してみてはどうですか?
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。