機会格差の解消に貢献したい

韓国から宣教師として日本に移住し、私が少しでも良い教育を受けられるよう日夜働く両親を見て育つ中で、社会課題、特に経済・機会格差の解消に強く関心を持つようになりました。

大学進学以降は、書籍等を通じて、開発途上国の現状や、社会課題の解決・格差解消のためにどのような取り組みが行われているかを学んでいましたが、具体的に自身がどのように格差解消に貢献していくかを決めきれないまま、一つ目のキャリアとしてはジェネラリストとして成長できるよう事業会社を選び、二つ目のキャリアとしてはファイナンスを通じて間接的に社会課題を解決する道を志向して、ファンドで働くことを選びました。

ファンドでの勤務経験が3年近くなるタイミングで、開発途上国のために少しは自身の業務経験が活かせるのではないかと考え、自身の専門領域に関連するボランティア活動を探したところ、Projects Abroadのマイクロファイナンス支援プログラムを見つけ、期間もフレキシブルに設定できることから、申し込みを決意しました。

専門分野での社会経験を武器に

タンザニアでのマイクロファイナンスのプログラムを選んだ理由は、現職で自身が従事している、投資のためのデューデリジェンスや投資先企業への経営・事業支援の経験が活かせるのではと考えたからです。

投資と融資という差異はあるものの、事業の成長に繋がるアドバイスや、事業における問題発見・解決のプロセスは共通するところがあるのではと考えておりました。

現場のニーズへの適応

主にビジネスインタビュー、事業成長のためのアドバイス(プレゼンテーション)の2つの活動に取り組みました。

事業成長のアドバイスは、事前に多数のアイデアを用意して参加したのですが、プログラム参加初週にビジネスインタビューを実施する中で、支援対象の女性たちが実行し得る打ち手が非常に限られていることを痛感し、事業における問題発見・解決のために身に着けておくべき基本的なロジカルシンキングの手法や、KPI管理表・将来計画の策定等、ノートとペンのみで次の日から実行できるナレッジの移転を行いました。

私の場合、事業成長のためのアドバイスをする前に、ビジネスインタビューを実施できたため、ROIとしては合うもののコスト・時間のかかるアイデアではなく、現地のビジネス環境・制約を踏まえたナレッジを移転できたと考えており、現場感を把握することの重要性を再認識しました。

タンザニアでの刺激的な毎日

アルーシャ郊外に所在するホームステイ先では、非常に温かく実の家族のように接して下さったホストファミリーや、アメリカ、イギリス、オーストラリア等、世界各国からプログラムに参加している他ボランティアとの交流を楽しむことができました。

土産屋やレストラン、バー等を訪れた際は、現地の方々が普段物事をどのように捉え、休みの日は何をし、将来はどうなっていたいかといったことを聞き、自身と共通する点や異なる点を感じて、刺激的な日々でした。

現場でしか得られない大切なこと

このプログラムを通じ、現場を知る・足で稼ぐことの重要性を再認識しました。

事業成長のためのアドバイスをする際、抽象的な知識をすぐに実行に移せるように具体例を用いることを意識していましたが、この具体例として、街中を歩きながら現地の方々の暮らしを観察したり、現地の方々に話かけたりして得た、現地ならではの例を用いることで、支援対象の女性の方々に自分事として知識を吸収する意欲を持ってもらえたと思います。

今後、どのような形で開発途上国の社会課題、特に経済・機会格差の解消に関わっていくかは未だ模索中ですが、この道を考える上で本プログラムへの参加は最良の一歩となったのではと思います。

このような貴重な場をご用意下さり、ありがとうございました。

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タンザニアでマイクロファイナンス 千ダビデ

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

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