参加の決意
私は、工業や化学を専門として学んでいる中で医療分野への工業技術の関わりに興味を持ち、医療ボランティアへの参加を決めました。
どうせ行くのならできるだけ日本から遠く、違った環境に飛び込みたいという思いでアフリカのタンザニアを選んだのですが、結果から言うとタンザニアはボランティアとしてとても活動しやすい国でした。
言語が通じなくてもコミュニケーションを途切れさせないタンザニアの方々には尊敬するばかりです。
皆からの沢山の温かい挨拶が、私たちに凹んでいる隙をあたえません。
フレンドリーな国民性に感謝です。
病院勤務で感じたこと
平日の午前中はアルーシャの町中にある病院で自由行動をしていました。
各々で興味のある仕事場へ行き、お医者さんの仕事見学です。
段々と病院勤務に慣れてくるにつれ、自分の積極的な行動が増えていった気がします。
色んな仕事場をのぞきに行って、お医者さんたちと日本とタンザニアの医療のお話をしたり、治療を手伝ったり、事務仕事を手伝ったり、自分が行動すれば高校生ボランティアにもできることは割とあります。
ある日は妊婦さんの身体測定を任され、30人くらいの妊婦さんがいる前で仕事をこなしていました。
皆が、アジア人の若者を不思議そうな目で見つめてくるので、緊張してしまうんです。
視線に耐えきれなくなって思い切って大きな声で話しかけてみると、笑顔で返してくれました。
英語が通じないのでほぼ会話はかみ合っていなかったと思いますが、その時本当に嬉しかったのを覚えています。
シャイな性格を打ち破って一歩踏み出した自分にも驚きましたし、自分にこの変化を与えてくれたタンザニアの環境に感動しました。
挑戦させてくれる環境に飛び込んだら、あとは自分がどう頑張るかですね。
恥ずかしいな、こんなお手伝いをしたら逆に迷惑かな、そんなことを考えるのは日本人が破るべき殻だなと改めて思いました。
病院で私たちを気にかけてくださった方々とは、将来成長した姿でお会い出来たらなと思ったりもします。
ホームステイ先での体験
ホームステイ先での生活はとても快適でした。
ホストファミリーとの関係も良好で、何と言ってもタンザニア料理がとても美味しいです。
アフリカと言われると、食が合わないのでは、おなかの調子が悪くなるのでは、という心配がどうしても頭の中にあったのですが、タンザニア料理は特にアジア人の舌によく合うものばかりでした。
というのは私の話で、他のプログラムに参加していた人達の中には食中毒になった人もいたらしく100%安心というわけにはいかなさそうです。
胃腸薬の持参は必須かと。
停電は日常茶飯事ですし、シャワーも毎日浴びられるわけではないです。
それも、数日たてばなんの問題もなく、慣れてしまうものです。
洗濯は3日に1回ほど、家の庭で手洗いしていました。
仲間との洗濯の時間でさえよき思い出です。
これから参加する高校生へ
この経験が今後の人生に与える影響は大きいものだろうと思います。
勿論、医療ボランティアを通して学んだことは書ききれないほどありますし、将来進むべき道の道筋が見えてきた気がします。
ですが、それ以上にこのプログラムで出会った仲間から大きな影響を受けました。
そもそも、海外へ行ってボランティア活動をしてみよう、その考えに至る人は一般的に珍しいと思うのです。
国外で活躍したい、もっと大きな視野で世界を見てみたい、そういった同じ方向に志が向いている人との会話は本当に興味深いものです。
今まで気づかなかった視点に気付いた時の衝撃や、自分の考えを理解してくれる友に出会った時の高揚感をぜひ多くの人に感じてもらいたい、その手段としてこのプロジェクトを有効活用していただきたいです。
人生で忘れることのできない濃い毎日になるはずです。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。