「今自分が行くべき場所」へ
私は昔から発展途上国に興味があり、そこで自分には何ができるのか、どのような生活をしているのか実際に自分で確かめたいという気持ちがありました。
また、誰かと同じではなく自分にしか無いことを見つけたいという思いもありました。
今までいくつかの国でボランティアとして活動したことはあったけれど、公衆衛生というピンポイントでのプログラムで活動したくて、ネットで検索した時にProjects Abroadに出会いました。
見つけた瞬間に「今自分が行くべき場所」だと直感で感じ、後先考えずに申し込みました。
高校生の時にフィリピンでのボランティアを経験してから、発展途上国などの国際公衆衛生に興味があり、大学でも専攻してますが、学生なので看護士や医者のように知識も社会経験もない自分が参加して大丈夫なのか初めは不安でいっぱいでした。
ガーナを選択した理由は、アフリカへ行ってみたいという気持ちと英語圏であることです。
私が携わった公衆衛生活動
公衆衛生のプログラムは、土日以外毎日活動していました。
朝9時頃から5-6時間行い、途中順番にお昼休憩をはさんでいました。
アウトリーチの形で活動するため、活動場所は毎日異なり、trotro(乗り合い車)やタクシーに乗って移動していました。
活動場所に着いたらまず、集落の方から椅子とテーブルを借り、日陰で道具などを広げセッティングします。その間に人が集まってくるので、現地スタッフが詳細を説明してくれます。
子供に対しては、傷の処置、リングワーム(頭や稀に耳にできるカビの一種)の手当て、マラリアテストを行いました。
大人に対しては、血圧測定、B型肝炎テスト、希望者や可能性がある人には梅毒テストを行いました。
テスト類は全て指先に針を刺し、簡易キッドで血を採取し検査していました。
医療道具に限りがある中で行うため、日本などに比べたら本当に最低限の処置しか行えていないと思います。
それでも、無料で行えることから痛みや恐怖心を我慢し、泣きながら治療を受ける子供達も多くいました。
テスト後、順番に現地スタッフによる個別指導が行われ、今後の治療方針や現状について話していたと思います。
健康意識がある人は結果に対して質問してきたりするのに対して、興味がない人は見向きもしてくれませんでした。
心配していたガーナでの生活
空港からタクシーで1時間30分ほどの所にある、ドドワという町でホームステイしていました。
家はとても大きく、私の部屋は3人部屋でした。
お母さんが料理を作るわけでなく、ママドラと言われる人が三食全て作ってくれました。
毎晩家に来て、その時に次の日の朝昼晩で何が食べたいか聞いてくるので、自分でリクエストしていました。
基本的にはガーナ料理を食べていましたが、スパゲッティやヌードル系も注文したら作ってくれました(味付けは日本とは違います)。
ガーナ料理は辛いものが多いので、辛いものが苦手な人は初めからママドラにしっかり言うのをおすすめします。
どれくれいの辛さなら食べられるのか把握してもらってからは、苦手な私だけ辛くないものを作ってくれ、食事面で困る事はそれほど無かったです。
お風呂には毎日入れましたが、バケツシャワーかつ水なので全身綺麗にするというよりかは、その日の汗を流すくらいの感覚でした。
電気は不自由なく使え、水道はたまに断水することもありましたが、貯蔵されている水を使ったりしてので、家にいて困る事はほぼありませんでした。
蚊に対しては常に虫除けスプレーを使い、蚊帳の中で寝たりしましたがそれでも刺される事は多々ありました。
活動がない休日には、首都のアクラで買い物してのんびり過ごしたり、trotroを何度も乗り継いで滝や自然を見に行ったりしまいした(私が実際に行ったBotifallsは行くまでかなり大変ですがおすすめの場所です)。
活動後は、家の近くのお店にいってFanChocoというアイスクリームをよく買いに行ったり、同じボランティア仲間とバーへ行き話したり、近くの子供達と色んな話して遊んだり、家でのんびりしたり、充実した時間を過ごしていました。
ガーナが教えてくれたこと
このガーナ生活で一番学んだことは、"物事を様々な視点からみること" だと思います。
同じ期間一緒に活動した仲間達は私よりも年上の方が多く、人生経験・社会経験の浅い私にとって会話のなかで学ぶことが多く、普段日本で生活していたらなかなか出会うことのない人達と時間を共有できたことは何よりも勉強になりました。
また毎回活動場所が異なるため、そこでの新しい出会いも新鮮で、活動自体の内容は同じでも地域や年代によって反応が異なり、そこで気づかされることも多々ありました。
そして成長したと思うことは "適応能力、対応能力" だと思います。
右も左も分からない環境での生活には,慣れていたつもりでも、ガーナにはガーナでしかない事もあり、その都度最適な答えを自分なりに考え対応したことで、それらの能力は成長したと感じます。
写真や文章からは伝わらない、実際に行った人にしかわからない匂いや経験、日本では当たり前の小さな事でさえ考えさせられる毎日で、人間的にも成長できたと思います。
これから参加する方へ
直感でガーナに飛び込み、正直初めは、アフリカというだけでビビリまくっていました。
しかし、不安以上に "行きたい、チャレンジしたい" という気持ちの方が強く、参加し終わった今は達成感でいっぱいで、あの時の選択は正しかったと胸はっていえます。
あそこで一歩踏み出した勇気は自分にとって力となり、さらに乗り越えられたことは何事にも変え難いものになったことは間違いないです。
この先、悩む時や選択しなければならない時が何度もやってくると思うけれど、自分が本当にやりたい事だと思うのならば、その気持ちを大切にしてチャレンジしたいです。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。