徳島に住むごく普通の女子高生がアフリカへ!?

私は文部科学省が展開するトビタテ!留学JAPANの制度を利用して、2023年の夏にタンザニアで高校生スペシャル医療プログラムに3週間・通年チャイルドケアプログラムに2週間の合計5週間参加しました。

この2つのプログラムを選んだ理由

高校生スペシャル医療プログラムに参加した理由は、高校3年生での留学ということもあり、ずっと思い続けてきた医療の道に進むことが自分に向いているのかを確かめたいという想いがあったからです。

また、通年チャイルドケアプログラムに参加した理由は、高校2年生から野外教育のボランティアをしており、教育にも興味があったからです。

高校生スペシャルで生活に慣れて通年プログラムに移り、自分の力で生活してみたいと思ったのも理由の一つです。

一生の思い出となった高校生スペシャル医療プログラム

最初の3週間は、世界中から集まった高校生と医療のプログラムに参加しました。

このプログラムでは、主に病院実習に行き、一般診療、産婦人科・小児科、血液検査を扱うラボをローテーションしながら見学しました。

産婦人科では、妊婦のお腹を触って赤ちゃんの状態を確認したり、エコーは無いため筒状のものをお腹に当てて赤ちゃんの心音を聞いたりすることを経験することができました。

また、学校に生理用ナプキンを届けたり、HIV / AIDSや性感染症、一次救急処置についてのプレゼンテーションを大学や村で行ったりもしました。

マサイ族の村へアウトリーチに行ったり、外科ワークショップではオレンジを使った筋肉注射の練習や鶏肉を使って縫合の練習をしたりしたことはとても実践的で、自分が医師になった姿が想像できました。

病院実習で衝撃的だったことは、赤ちゃんがワクチン接種をする部屋の天井が落ちてきたことでした。

幸いケガ人はいませんでしたが、発展途上国ということを肌で感じさせられる出来事でした。

生活面では、停電が日常的に起こり、みんなでライトを照らしてご飯を食べたり、暗闇で遊んでみたりと、支え合って乗り越えました。

また、日々の生活の中で砂埃を沢山浴びていたため、シャワーを浴びたかったですが、停電してタンザニアは冬にも関わらず冷たいシャワーを浴びなければならなかったことは辛かったです。

ですが、貴重な経験になりました。

給食を含めた学校教育の大切さに気付いた通年チャイルドケアプログラム

通年チャイルドケアプログラムでは、世界中から集まった様々な年代の人とマサイ族村の幼稚園でアルファベットや数字などの授業を行いました。

出発前に自分の高校で作成してもらった折り紙を幼稚園に届けることができ、喜んでもらえたことはとても嬉しかったです。

活動中、ある一人の少女との出会いが、私の価値観を変えました。

ある朝、その子が遊んでいる最中に床に落ちているゴミを口に入れました。

その子が住んでいる地域では数ヶ月間雨が降っていないことで食料が手に入らず、朝食を食べずに数時間かけて徒歩で通園し、授業が始まっても午前中は集中できていないような状況を目の当たりにしました。

たとえ学校があっても、お腹が空いていて集中できなければ意味がないということに気づきました。

この幼稚園ではボランティアによって週に数回給食が配給されており、子どもたちがとても美味しそうにご飯を食べていました。

あの子どもたちの笑顔は今でも忘れられません。

ここでは、給食も含めた学校教育が大切だということを学びました。

プログラムに参加して成長したこと

初海外がアフリカってなんか面白そうと思い、海外経験なしであえてタンザニアという過酷な地を選んだこと、そして5週間をやり遂げたことは、今まで成功体験をあまりしてこなかった私にとって、大きなターニングポイントになりました。

生まれてからずっと徳島にいる私にとって過酷なことが多かったですが、非常に良い経験ができました。

停電も日常茶飯事だったり、英語が苦手なためホストファミリーと上手く意思疎通が出来なかったりと、しんどいこともありましたが、仲間がいたからこそ乗り越えることができました。

私は英語が全然喋れず、苦戦することがいっぱいでしたが、恵まれたことにたくさんの人が私の拙い英語を聞いてくれようとしてくれて、本当に嬉しかったです。

また、ある日本人留学生には「あやかは英語がうまく喋れなくても、伝える意思は人一倍ある」と言われて、自分の中で大きな自信となりました。

この経験で学んだことを将来へ

私は、ずっと発展途上国で活躍する医師になることを目指していました。

しかし、高校3年生という時期に「本当に高校卒業後すぐに海外医学部に行くべきか」ということを悩んでいました。

しかし、このプログラムに参加し、大きく考え方が変わりました。

一番印象的だったことが、マサイ族での活動でした。

マサイ族の村を訪れた際、衛生環境の悪さが衝撃的でした。

マサイ族の人の体の周りにはたくさんのハエが飛んでいて、払っても離れないような状況でした。

そのハエの影響で、目の病気や体の湿疹を訴える患者が多かったです。

それらを根本的に解決したいと思いましたが、医療の知識だけでは根本的な解決は難しいということに気づきました。

そこで私は「今」医師を目指すべきではないと思い、様々なことが学べる大学に進学することを決めました。

大学卒業後は様々な経験を積み、最終的にはタンザニアのような発展途上国でその地域が抱える問題を根本的に解決できるオールラウンダーになりたいです。

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タンザニアで医療・チャイルドケア 大森彩加

この体験談は、主観に基づいて綴られています。

その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。

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