未知の世界への期待
高校2年生の夏休みに、2週間カンボジアで公衆衛生のボランティアに参加しました。
たった2週間でしたが、この経験が現在(大学生)の進路を決める大きなきっかけとなり、参加して良かったと日々感じています。
私がこのボランティアに参加した理由は、友人からの誘いでした。
海外でボランティア活動に参加してみたいと考えていた時に、ちょうど友人から誘いがあったので、すぐに参加を決めました。
渡航前は、初めて発展途上国でボランティアするということもあり不安もありましたが、それ以上に未知の体験にわくわくしていました。
カンボジアでの衝撃の驚き
実際にカンボジアに着いてみると、私は2つのことに驚きました。
1つ目は、カンボジアに住む人々の衛生面に対する意識の低さです。
私は、特別医療に興味があったわけでも、医療に詳しいわけでもありませんでした。しかしその私から見ても、衛生面に対する意識の低さがはっきりと感じられました。
私たちが訪ねた小学校の子供たちは、手洗いや歯磨きのやり方をきちんと理解していないだけでなく、トイレが汚いという理由でトイレを使用せずに草むらで用を足す(あるいはトイレを我慢する)という子供たちがたくさんいました。
その光景を目の当たりにして、愕然としました。
2つ目に驚いたことは、貧しい国の人々は幸せじゃないという私の勝手な思い込みが大きく覆されたことです。
特に強く意識したことはなかったですが、物資的にも経済的にも恵まれていない人々は、恵まれている人々よりも不幸だと勝手に思い込んでいました。
しかし、カンボジアの人々は異国から来た私たちを親切に受け入れてくれて、人と過ごす時間や人とのつながりをとても大切にしているように感じました。
そんな温厚で優しいカンボジアの方々と交流することで、身も心も癒され、幸せな気持ちになりました。
幸せを定義することは難しいですが、豊かであることが必ずしも「幸せ」と結びつかないということを学びました。
自分で築いた自分の役割
活動では、初めに公衆衛生に関する基本的な知識やカンボジアの衛生状況などについて学びます。
日中はバスや船などで移動して、現地の小学校や障害者が集う施設などを訪ね、それぞれの活動を行います。
私の中で特に印象に残っているのは、小学校での活動です。
子供たちはとても人懐っこく、私たちのバスが到着すると走って近寄ってきてくれました。今でも彼らの笑顔を思い出すだけで、幸せな気持ちで胸がいっぱいになります。
日中の活動を終えたあとは、ホテルに帰って、他の参加者たちと共に1日の振り返りをしたり、どのようにして子供たちを取り巻く衛生環境を改善していくかについて話し合いました。
医療の知識が周りの参加者に比べて乏しかった私は、自分の無力を痛感し、周りの足手まといになっているのではないかと不安になりました。
そこで、医療という視点からではなく、他の面で子供たちの役に立つことが出来ないかについて考えることにしました。
具体的には、デング熱の危険性を伝えるためのポスターに分かりやすく絵を描いたり、手の洗い方を覚えてもらうためのダンスを創作したりして、自分にできることを一生懸命こなしていくようになりました。
そして、他の高校生参加者たちにも協力してもらいながら、子供たちが楽しんでくれそうなダンスを創作することが出来ました。
実際に学校で披露した時は、子供たちも一緒に踊ってくれてとてもうれしかったです。
決して大きなことではありませんが、少しでも子供たちの今後の衛生環境を改善していく上で力になれたと思います。
この経験が教えてくれたこと
2週間のボランティア活動を経て、私は2つのことを学びました。
1つ目は、ボランティアの本質についてです。
ただ単に物質的な支援を行うことだけがボランティアではない、ということを学びました。
子供たちに石鹸やタオルをあげるだけではなく、手洗いの重要性や正しい洗い方の手順も合わせて教えることで、今後も彼らの力で衛生状態を維持できるような「持続的な支援」を行う事ができたと思います。
そして、この持続的な支援を行うことこそが、ボランティアの本質だと考えています。
2つ目は、現地に赴くとこの大切さです。
このボランティアに参加したことで、テレビや新聞では知ることが出来なかった多くの新しい発見や学びを得ることが出来ました。
最初にも述べた通り、活動する前と後では、途上国やそこで暮らす人々に対するイメージが大きく変わりました。
また、戦争に関する博物館(キリングフィールド、トゥールスレン収容所)に観光した際も、多くのことを学びました。
虐殺や拷問が実際に行われていた場所を目の当たりにして、人間が行ってきた数々の残虐な行為に胸が締め付けられました。
そして戦争の恐ろしさを肌で感じたからには、もう二度と人類が同じような苦しみを味わうことがないように、より多くの人に戦争の恐ろしさや残酷さを伝えていく義務があると感じました。
大学をさらなる成長の舞台へ
今後もこれらの学びをふまえて、様々な場所へ自ら訪ねて、現地で課題を発見し、それに対して他者と協働しながら解決に導いていきたいと思います。
高校2年生の夏休みに、このような貴重な体験をできでよかったです。
またいつか子供たちの素敵な笑顔を見れるように、大学では日々勉強に励み、もっと成長して戻ってきたいと思います。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。