海外ボランティア ✖ 日本語教育
もともと海外でのボランティア、とりわけ日本語教育に興味があり、ネットでプロジェクトアブロードを見つけました。
日本語教育の先生を無資格、未成年でやらせていただける所は他に一社しか無く、サポートがより充実しているように思えたプロジェクトアブロードに決めました。
舞台はスリランカ
最初モンゴルを希望し、話が進んでいましたが、15歳ではビザが取れず行き先の変更を余儀なくされたため、最終的にスリランカを選びました。
スリランカでは地元の日本語教室で日本語を教えたり、孤児院で子供と遊んだりしました。
地元の「日本に行って高い技術を学びたい!」という人達に日本語を教えましたが、N5(日本語能力試験の最も簡単なテスト)に向けて勉強する初心者の方々で、日本語での会話は厳しかったです。
前に一度中国の日本語を勉強する学生と会った時は、「日本文化(アニメ・漫画等)が好きだから」という理由で勉強する人が多かったため、個人的には驚きでした。
現地の実態
一つの町に一つ日本語教室がある位、日本語教育の需要はそこそこあるように感じられましたが、日本人には全然会いませんでした。
観光客は時々大きな観光地で見かけたりしたものの、ホームステイ先の周りにはスリランカ人しかおらず、道を歩けば「ニーハオ」と話しかけられるという感じでした。
他にも孤児院でのペンキ塗り等も行いましたが、日本人ボランティアは僕含め2人のみでした。
(ちなみに男は2人だけ…)
異文化に触れて
ホームステイ先の同じボランティアも、20代前後のヨーロッパ出身の方が多かったです。
イギリス、フランス、ポーランド等から来た方々と英語で話すわけですが、様々な国の状況を聞くことができ、とても楽しかったです。
和気あいあいとカードゲームをしたり、時には、孤児院の子供たちの問題について真剣に議論することも。
皆国籍も違いますが、仲良くなることができ、ご飯や買い物、旅行にも行ったりしました。
もちろん国が違えば文化も違い、軽い衝突が起きたりもしていましたが、最終的には仲直りしていました。
家族としか海外に出たことの無い僕にとって全てが大変な一方、その全てが新鮮で、楽しい時間でした。
スリランカと日本
スリランカの治安は比較的良く、多少の恐怖を感じることもありましたが、注意さえしていれば問題なく、一人旅も可能でした。
ほぼ100%中国人に間違えられますが、スリランカ人は親日的で、日本人だと言うと歓迎してくれます。
多くの人は、ジャヤワルダナ氏という人のことについて聞いてきます。
僕は全くこの方を知りませんでしたが、スリランカ人にとっては日本を救ったヒーロー的存在のようです。
というのも、セイロン代表であった彼(のちに初代大統領)は、サンフランシスコ講和条約で出た分割占領案をやめ、日本に自由を認めるよう説得のスピーチをしてくださったのです。
彼がスピーチにブッダのことを引用したように、多くのスリランカ人はブッダを尊敬する仏教徒で、毎日家でお祈りし、日曜日にはお寺に出向きます。
一方で、日本人は皆仏教徒だと思われていて、仏教を冒涜していると思われぬように日本においての宗教事情を説明することは大変で、とても気を遣いました。
ただ、個人の宗教は抜きにして、スリランカにはたくさんの仏教関連の施設・遺跡があり、とても面白いため是非訪れてみてください。
道の曲がり角や駅に大きな仏像が飾ってあり、バスにさえ仏像が飾られていますが、アヌーラダプラなどにある大きな仏塔は見る価値があると思います。
また仏教に関する大きな祭りも年に3回あり、ホストマザーがその一つ、KandyのPerahera祭りへ連れて行ってくださいました。
大勢のダンサーがダンスを披露し、また、豪華な衣装をまとった象が何頭も歩く様子は、日本の祭りとは違った面白さ、迫力があり圧巻でした。
人生の糧となった経験
もちろん、こういった観光に限らず、普段子供と遊んでいるときも楽しいことは沢山ありました。
子供達が全力でクリケットをしている姿は見ているだけで元気をもらえますし、校庭に生えている木と拾ったビニール袋から5分足らずで凧を完成させてしまう彼らの技術には驚かされます。
孤児院というと、どうしても不幸な子と思われがちですが、彼らは笑顔が絶えません。
お互いに英語は拙い中、会話をしようと必死に話しかけてくれますし、皆それぞれの好きな事、菜園や絵を描く事等に打ち込んでいました。
時には喧嘩をしたり、言うことを聞かなかったりする彼らに苛立つこともありましたが、得られる幸福の方が格段に大きかったです。
彼らとのふれあいやボランティア活動は、観光とは違った楽しさがあり、また多国籍の人とのふれあいは、大きな人生の糧となると感じました。
ただ、無事に帰国できたのはプロジェクトアブロードのLigayaさんやAluniさん含め多くの方のおかげです。
本当にありがとうございました。
P.S. 行き先変更に伴い再審査中なのですが、一度トビタテ留学ジャパンの高校2期生として採用されました。
もし、トビタテに関する事やスリランカでのことに関して気になることがありましたらFacebook(Arata Ida)に連絡をください。
この体験談は、主観に基づいて綴られています。
その時の現地の需要や活動の進捗状況、参加時期、参加期間、天候などによって得られる経験が異なりますので、あらかじめご了承ください。
この体験談は孤児院での活動に言及していますが、現在プロジェクトアブロードは地域型のチャイルドケアに焦点をあてた活動に取り組んでいます。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。