はじめに
ネパールでサイ生態保護の短期・長期「実践型」海外ボランティア参加者を募集しています。
舞台は、ネパール初の国立公園であり、ユネスコ世界遺産(自然遺産)にも指定されているチトワン国立公園の緩衝地帯。この海外ボランティア活動は、絶滅危惧種のイッカクサイやベンガルトラ、コンドルをはじめとした貴重な野生動物の継続的な保護活動をサポートする、非常に意義のある取り組みです。
ボランティアとしての主な役割は、チトワンの野生生物保護区に生息するこれらの野生動物のデータを収集すること。そして、定期的に周辺の地域各所に出向き、野生動物保護に関する教育活動を実施。地元の人々や子供たちの問題に対する認識を促進していきます。
ネパールでのサイ生態保護の海外ボランティア中は、チトワン国立公園内にあるゲストハウスに滞在します。この雄大な大自然の中で、同じ関心を持った多国籍な外国人ボランティアと共に過ごす日々は、きっと貴重な異文化交流のチャンスとなることでしょう。
サイ生態保護ボランティア参加条件
ネパールでのサイ生態保護の海外ボランティアの応募対象は、世界中の大学生、社会人、シニアのみなさんです。
活動参加にあたって、知識や経験は問われません。
求められるのは、体力と熱意のみ!
特に動物や自然、アウトドアが好き、動物学や環境学を専攻している、海外の野生動物保護活動に関心がある、ネパールの国立公園の現状を自分の目で見てみたい、アジアの発展途上国で実践型の国際協力に貢献したい!という熱心な学生や社会人のみなさんにおすすめです。
その道の専門家や研究者の方であれば、支援が求められている海外の現場で、スキルや経験を活かす貴重な国際経験となることでしょう。
参加条件とまではいきませんが、しいて言えば最低限の基礎英語力は不可欠です。
活動中のコミュニケーションは、基本的にすべて英語で行われます。したがって、自分の意見をはっきり伝え、分からないことを自らきちんと質問できる英語力がないと、現地で苦労するのは自分自身です。
だからこそ、英語の練習を含む渡航前準備にどれだけ真剣に取り組んできたかが、現地入り後の経験値を左右すると言っても過言ではありません。
すべては、あなた次第です!
イッカクサイ生態保護のサポート
ネパールは、イッカクサイ(インドサイ)を含む世界有数の野生動物の宝庫。
現地の環境保護専門家の指導の元、ボランティアはこの貴重なイッカクサイの追跡調査を行いながら、安全な住処としてのコミュニティフォレストの自然保護活動に取り組みます。
追跡調査では、自然界に生息するサイの発見、足跡の追跡、仕掛けカメラの設置などによって、ボランティアはコツコツとデータを収集していきます。
集められたデータは、ネパールの環境科学者たちの研究をサポートする貴重な指標。年間のリポートとしてまとめられ、地元の環境保護団体とも共有されます。
最後の報告では、チトワンに生息するサイはたった694頭。イッカクサイの生存は、ボランティアであるあなたと現地の人々の日々の努力によって成り立っているのです。
チョウや野鳥の個体調査
チョウや野鳥の調査活動では、ボランティアは主に個体数のモニタリングをサポートしていきます。
ユニークな美しさのオオサイチョウやコハゲコウのカリスマ性、たくましいコンドルなど、きっと今まで見たこともないような野鳥の生息を見て学ぶことに。
チトワンは、生物多様性のホットスポットです。言い換えれば、さまざまな野生動物が保護を必要としているのです。
そんなネパールでは、可憐なチョウから力強いサイまで、すべての野生動物の相互関連性を目の当たりにすることになるでしょう。
ベンガルトラ保護活動のアシスト
ベンガルトラは、ネパールで最も神秘的で深く愛されている野生動物です。世界的に見ても、一番大きなネコ科の動物の一つであり、その力強さで有名なことは言うまでもありません。そして、自然界の生態系のバランスを保つ意味では、食物連鎖の頂点に立つベンガルドラの存在は不可欠です。
基本的に、ベンガルトラは私たちが肉眼で目撃できるような野生動物ではありませんが、現在チトワン国立公園では128頭のベンガルトラの生息が確認されています。
ボランティアに任されたここでの使命は、自然界には不必要な人間の営みからベンガルトラを守るべく、緩衝地帯の整備に協力すること。
チトワン国立公園に仕掛けカメラを設置することは、過去にない試み。現地で実際にベンガルトラに遭遇することはありませんが、ベンガルトラの個体調査をサポートし、習性をリサーチ。そして、安全に生息できる環境を整える。これらの活動のすべては、ベンガルトラの命を次世代に残す貴重な貢献となってゆくのです。
自然環境の整備
ネパールでのサイ生態保護活動の拠点は、チトワンのコミュニティフォレストです。ここは特別なエリアで、野生動物と私たち人間の両者が共に楽しめる場所。
国立公園と周辺の村の緩衝地帯としての役割を担っています。つまり、野生動物は人間から邪魔されずに平穏な生活を送り、私たち人間は人間で管理可ながらもこれらの野生動物へのアクセスがあるという状態です。
このコミュニティフォレストのメンテナンスは、野生動物を守り、地元の人々の生活状況を改善する重要な役割を果たします。
ボランティアは、以下のような実践的なメンテナンスに協力していきます:
- 土壌浸食の抑制
- 外来植物の除去
- 道路の清掃
- 教育上の標識の作成
- 隠れ観察所の建設
- 案内所のリフォーム
- 地元住民が行う密猟防止パトロールへの協力
野生動物保護教育プログラムの作成
ボランティアは、環境問題への認識を促進することからも、地球上の生態系を保護する長期的な戦略にアプローチしていきます。
ネパールで、人々と野生動物が共存できる世界を造ることに協力するのは、とても貴重な国際協力。
ネパールの未来を背負う現地の子供たちに、以下のような活動を通して、貴重な野生動物の保護について教育していきます。
- すべての学校に配られる自然保護シラバスの作成
- 野生動物保護に関するプレゼンの実施
- 環境をテーマにしたゲーム作り
- 現地の野生動物を描くペンキ塗りの指導
- コミュニティフォレストへのフィールドトリップ
活動拠点
チトワン
首都カトマンズから車で約6~7時間の雄大な自然が残る地域。
派遣先は、チトワン国立公園の緩衝地帯にあるNamuna, Shantikunja, そしてKrishnasaar Community Forestです。
Community Forestは、野生動物と人との緩衝地帯であり、イッカクサイやベンガルトラが自由に歩き回れるオアシス。
滞在先は、Community Forestから徒歩圏内の村にあります。
サイ生態保護ボランティアの1日の流れ
ネパールでの野生動物保護の国際ボランティア活動は、現地の平日にあたる月~金曜日に行われます。
日々の活動は、参加時期の優先事項によって異なります。毎週のスケジュールをよく確認し、すべての活動に同行する現地の専門家と積極的にコミュニケーションを図りながら進めていきましょう。
通常、活動は大きく分けて以下の2つのタイプがあります:
- 体を動かすことが中心の日:建物のリフォーム、水たまりの掘り起こし、フェンスの修理など
- それ以外の日:GPSマッピング、データ収集、野生動物の固有種のリサーチなど
上記以外にも、地元の学校を訪問してネパールでの野生動物保護に関する教育活動などにも取り組みます。
1日のボランティア活動が終了したら、自由時間です。仲間の外国人ボランティアとの異文化交流、トランプ、ゲーム、読書など、あなた流にお楽しみください。
活動のねらい
ネパールで行われているサイ生態保護の海外ボランティアのねらいは、地道なデータ収集を通して、ネパールのチトワン地域に生息するイッカクサイ、ベンガルトラ、コンドルをはじめとする貴重な野生動物の保護に貢献すること。
そして、これらの野生動物と私たち人間が共存し、共に繁栄できるエリアを構築すること。
同時に、あなたが実践的な国際協力経験を得ながら視野をぐんと広げること。
活動拠点となるチトワン国立公園は、貴重な野生動物や植物の宝庫。この地域ならではの固有種や絶滅危惧種も存在します。そんなチトワン地域周辺は今、主に開発や環境破壊、環境汚染をはじめとした私たち人間の営みによって、さまざまな脅威にさらされており、多くの支援を必要としています。
あなたも、ネパールが誇るかけがえのない野生動物を後世に残すボランティアの一員へ。
マネジメントプラン
プロジェクトアブロードは独自のマネジメントプランを設け、活動に対する目標の明確化と目標達成の具体化を行っています。
マネジメントプランは、まさに私たちの活動の道しるべ。
よろしければ、マネジメントプランもあわせてご覧ください。
活動が世界に与える影響
プロジェクトアブロードは、毎年明確に定められた長期的な目標の達成に向けて取り組まれています。
その目標達成の鍵となるのが、参加者一人ひとりのみなさんの存在です。
グローバルインパクトリポートにまとめられた年間の活動の進歩と功績は、参加者全員の努力の結晶。
よろしければ、活動が世界に与える影響もあわせてご覧ください。
滞在先と食事
ネパールで活動中の滞在先は、派遣先から徒歩圏内のゲストハウスです。
基本的に同性の仲間とのルームシェアとなりますので、貴重な異文化体験の機会として積極的に交流を図りましょう。
現地では1日3食分の食事が提供されますので、ぜひ食からもネパール文化をお楽しみください。
発展途上国の滞在先は、先進国のモダンで便利な生活と比べると質素に感じるかもしれませんが、安全面や清潔面の基準は満たされています。
現地サポート
安全を第一優先とするプロジェクトアブロードは、すべての活動国で24時間体制の現地サポートを提供。
だから、海外への渡航が初めての方でも安心して参加できる魅力があります。