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青い空に映えるフィジーのヤシの木

スタッフ渡航記~環境保護&栄養管理 in フィジー編~

中村茂樹 | 2020年 7月 4日
更新 2023年 11月 12日

Bula! みなさんこんにちは、プロジェクトアブロード日本支店代表の中村です。

前回の南アフリカ共和国渡航記に続き、今回はフィジー渡航記をお届けしたいと思います。

2018年に成田空港からの直行便が再就航したことにより、アクセスもグッと良くなった南国フィジー。

フィジーで英語留学する日本人学生の数も増えているんだとか。

フィジーは、毎年プロジェクトアブロードの多くの参加者が選ぶ人気の活動国の一つ。

では、さっそくその実態に迫ってみましょう!

フィジーってどんな国?

フィジーは、日本から南東へ約7,000kmに位置する島国。

南太平洋に浮かぶこの島国には、人口約90万人が暮らしています。

無人島も含めると、合計300あまりの島々が存在。

プロジェクトアブロードが活動拠点を置いているのは、フィジー諸島最大のビティレブ島です。

フィジーの玄関口であるナンディ国際空港も、このビティレブ島にあります。

ビティレブ島南部に位置する環境保護プログラムの拠点パシフィックハーバーは、島の中でも降水量が多い地域。

でも、島の西部一帯は降水量が少ないこともあり、ナンディ国際空港がビティレブ島西部に建てられたのだとか。

環境保護以外のプログラムは、このナンディ郊外を活動拠点としています。

一見、南国特有の華やかなイメージがあるフィジーで、プロジェクトアブロードは以下のようなさまざまな活動に取り組んでいます:

その中でも、今回は環境保護と栄養管理の活動を取り上げてみたいと思います。

フィジー最大の諸島ビティレブ島

環境保護プログラム、何を保護しているの?

一口に「環境保護」といっても、何を保護しているの?と疑問に思う人も多いと思います。

プロジェクトアブロードが取り組んでいるのは、フィジー近海に生息するサメの生態系や魚を取り巻く海洋環境の保護です。

ダイビングを通した海洋環境調査、サメの生態調査、マングローブの再生活動、地元の学校などでのフィジーの海洋環境に関するレクチャー、ビーチの清掃などが活動の中心となります。

専門的で難しく聞こえるかもしれないですが、そこはプロジェクトアブロードの現地スタッフの出番です。

現地には、サメの研究分野で博士課程を取得しているスタッフをはじめ、現地の海洋環境に精通しているスタッフが活動をリードしています。

これらの現地スタッフが、サメの生態についてはもちろん、なぜマングローブの再生活動が海洋環境保護にとって重要なのか、実際のマングローブの植林はどのような条件下で行うのが最適なのか、そしてフィジー近海に生息するサメや魚の種類についてもスライドを用いて分かりやすく説明してくれます。

活動の意図や背景を学びながら、現役の専門家に直接話を聞けるまたとないチャンスです!

どんなに小さな質問でも、ぜひ遠慮せずに聞いてみてください。

ボートに乗ってフィジーの海でダイビング調査に向かう環境保護ボランティアたち

環境保護活動は、専門知識がなくても大丈夫?

フィジーの環境保護プログラムに参加するボランティアの多くは、専門的に海洋分野について学んでいるというわけではありません。

中には大学の海洋学部で学んでいます、という学生さんもいますが、多くは「ダイビングの資格を持っているからそれを何かに役立てたい」「海でのボランティア活動を探していたら行きついた」といった参加者が多くを占めます。

かくいう私も、以前は海洋環境に関する知識は、ほぼゼロ。

マングローブ植林の重要性は聞いたことがあるなぁ、くらいのレベルでした。

でも実際に現場を目の当たりにし、マングローブの植え付けひとつをとっても、ただ植えればいいというだけではないことを身をもって学習。

周囲に高級ホテルがひしめく華やかさとは裏腹に、環境破壊が進むフィジーの自然環境についても深い理解を得ることができます。

観光産業を生業にしている国や地域では、環境破壊は多かれ少なかれ避けて通れない問題かもしれません。

しかし、このフィジーでの環境保護活動は、現地が抱える負の側面にも具体的なイメージをもって体験し、改善に貢献できる、そんなプログラムです。

最近では、海洋汚染や地球温暖化が話題になることが多いですが、それだけでは語れないさまざまな海洋環境問題について学んでみたい、趣味のダイビングを環境保護に活かしたい、そんな人におすすめのプログラムです。

フィジーでマングローブの植林に貢献する日本人ボランティア

なぜ栄養管理プログラム?

フィジーでぜひ紹介したいもう一つの活動があります。

それは、栄養管理プログラムです。

医療&ヘルスケアの海外インターンシップに属する活動の一つです。

もともとフィジーでは、芋や魚をはじめとした生鮮食品からなる伝統的な食文化や、インド系フィジー人の間ではスパイスが利いたカレー料理を中心とした食文化が栄えていました。

今、食生活の見直しが求められている背景には、フィジー特有のさまざまな理由があります。

その一大要因は、近年における欧米の食文化の流入。

糖分や脂質が多く、高カロリーのファーストフードや加工食品が急速にフィジーに出回り、人々の食生活を激変させました。

一年を通して常夏のフィジー。喉も乾きますよね。

フィジーでは、食事だけでなく飲み物も糖質が多いものが日常的に消費されています。

このような日頃の食生活が原因で、フィジーは糖尿病を患い亡くなる人の割合が世界で一番高いと言われています。

確かに、街を歩いていても肥満の人が多く、肥満は特に女性に多い傾向を見受けました。

そんなフィジーの平均寿命は、50代半ばだそうです。

今回訪問したホストファミリー宅の一つでも、ホストマザーの夫が糖尿病が原因で50代半ばと若くして命を落とした家庭がありました。

このような状況を少しでも改善するため、プロジェクトアブロードは地域にい根差しながら、食生活の改善を促す活動に取り組んでいるのです。

トウモロコシを袋に詰めるフィジー女性

栄養という分野で、日本の知見を海外へ

一方、日本は世界でも言わずと知れた長寿大国です。

その秘訣は、食生活にあるといっても過言ではないほど。

日本食は、世界からも注目を集めるスーパーフードなのです!

一般的に見ても、日本人は食や運動、健康に関する関心が高く、教育システムや医療システムも発達していることなどが、総合的に生活習慣病のリスクを軽減し、長寿大国として導いています。

この栄養管理プログラムは、日本人ならではの健康に対する意識や知見をフィジーに広め、生活習慣の改善に寄与できる取り組み。

地元のホテルに勤務する従業員に定期的に体を動かすエクササイズのレッスンを提供する、地元住民に食生活に関するヒアリングを行うなど、健康全般に関する取り組みに携わります。

過去には、プロジェクトアブロードの栄養管理プログラムで経験を積んだ後、今度は国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊として再度フィジーで栄養管理の向上に貢献した参加者もいます。

他の医療系の活動と異なり、医療現場での医療補助や住民への薬の投与などの直接的な医療行為に携わるわけではありません。

しかし、日々の食生活から人々の健康に対する意識改革を促し、生活習慣病予防に貢献するこの栄養管理プログラムは、非常にやりがいのある活動と言えるでしょう。

栄養学を学んでいる学生、栄養士を目指している方、すでに栄養士や管理栄養士、食生活アドバイザーとして勤務している社会人のみなさんなどに特におすすめのプログラムです!

フィジーの地元女性にエクササイズ教室を行う栄養管理インターン

おわりに

最後にフィジーちょこっとメモ:

  • 年間の外国人観光客の数は、フィジーの人口とほぼ同じ約85万人
  • GDPの約30%は観光産業に依存。ちなみに日本は約7%
  • サトウキビの輸出、衣料も主要産業の一つ
  • 経済的に余裕がある人は、オーストラリアやニュージーランド、アメリカなどに移住するケースも多く、人材の流出といった問題も

みなさんは、フィジーについてどのくらいご存知でしたか?

フィジーに少しでも関心をもったという方は、ぜひプロジェクトアブロードのフィジーでの活動もチェックしてみてください。

ボランティアを出迎えるフィジーのホストマザーと幼い息子

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