木村洋平 | 2023年 4月 28日
更新 2023年 9月 23日

「実践型」海外ボランティア・インターンシップのプロジェクトアブロード、シニア・プログラムアドバイザーの木村と申します。

今回、ケニアのプログラムの視察に行ってきました。

視察の目的は、活動先や滞在先の環境、およびそれらを取り巻く状況などを把握することです。

実際に私の目で見て、肌で感じたケニア事情をお届けします!

ケニアでの海外ボランティアやインターンシップに関心がある方必見です。

ケニアってどんな国?

【気候】

私が渡航した2月~3月は乾季から雨季に移る時期でしたが、滞在中は全体的に乾燥した晴れの日が続いて過ごしやすかったです。

ただ、昼夜の寒暖差が激しことには注意です。

昼間は日差しが強く、半袖・半ズボンでも十分過ごせました。

しかし、夜は気温が下がるため、ケニアで海外ボランティアに参加する際は長袖・長ズボンのスウェットなどがあった方がよいと感じました。

長袖に関しては、半袖の上に羽織れるパーカーやカーディガンなどを活用して、調整できるとよいと思います。

また渡航した当時、通常よりも乾季が長引いていたため、河川が干上がってしまう地域が多数発生。

活動拠点の一つであるNanyukiから車で約30分の集落では、川の水を利用して生活を営むことから、水不足の問題がますます深刻化していました。

国やWFPなどが飲用水の支援を行ってはいるものの、遠くまで水を汲みに行かなければならないなど、地域によっては厳しい生活を余儀なくされていました。

【インフラ】

首都ナイロビでは、道路交通網がかなり整備されていると感じました。

主要幹線道路や高架による交差点の解消などが、ナイロビの交通事情を劇的に改善しているのだと思います。

Nanyuki周辺はまだ整備中の区間がありましたが、道路の損傷も少なく、街間の移動もスムーズでした。

ケニアの空港でボランティアの到着を待つプロジェクトアブロードのお迎えスタッフ

ケニアの治安

首都ナイロビは注意喚起が出ているので、あまり出歩く地域ではないとされています。

一方、Nanyukiは治安が非常に安定していると感じました。

もちろん、海外に滞在しているという自覚をもって、大金を持ち歩かないなどの対策は必要ですが、街を歩いていて危険を感じることはありませんでした。

ケニアで印象的だったのは、あまり外国人として珍しがられなかったことです。

他のアフリカ諸国では、初見からいわゆる「外人」や「アジアの某国の人」と呼ばれることが多かったのですが、Nanyukiでそのように呼ばれたことは一度もありませんでした。

Nanyukiには、イギリス陸軍のトレーニングユニットが長く駐屯しているからかもしれません。

同国の兵員が街で買い物や食事をする風景を日常的に見られることから、欧米人は「外国人」というよりも「隣人」と捉えられている印象を受けました。

Nanyukiは、日本でいうところの横須賀市や横田市、岩国市の街並みに近い雰囲気でしょうか。

Nanyukiには旅団規模(4,000人程度)のイギリス軍が駐屯している他、駐屯地にケニア空軍の基地が併設されており、街の警備のレベルが他の地域よりも高く設定されている模様です。

実際、ケニア警察の私服警官やイギリス陸軍のMP(ミリタリーポリス)の巡回も行われているため、犯罪抑止効果が強いのではないかと感じました。

また、Nanyukiでは他のアフリカ諸国で見られるような喧噪(クラクションや商売人の掛け声)などがあまり見られず、かなり静かな印象を受けました。

Nanyukiに強引な客引きがあまりおらず、歩いていても煩わしいことが少ない分、安心して出歩くことができました。

一方、首都ナイロビはよりカオスな印象があるので、Nanyukiとは気風が異なるのかもしれません。

移動時には、タクシーが便利です。

タクシーは、プロジェクトアブロードの現地スタッフ紹介のドライバーか、他のボランティアやホストファミリー御用達のドライバーを紹介してもらうと安心かと思います。

私のステイ先の家から街の中心までは、概ね400~600Ksh(400円~600円)でした。

滞在中のボランティアの方にドライバーを紹介してもらい、ステイ先の場所を覚えてもらいました。

初回は道に迷いましたが、現地スタッフに電話してドライバーを誘導してもらいました。

あとはドライバーが滞在先の場所を覚えてくれているので、行先と時間を告げていつも通りの金額で街まで送ってもらったり、迎えに来てもらったりしました。

欧米出身のボランティアと仲良くなると、夜の食事やクラブなどに誘われることがあるかもしれません。

夜間の移動はタクシーを使うのが一般的で、夜間の一人歩きは厳禁です。

成人であれば、クラブなども欧米・アフリカ音楽などの文化を体験できる場所ではあります。

しかし、ナンパや喧嘩などのトラブルが起こりやすい他、大麻など薬物の勧誘・販売が行われているので、毅然とした対応が必要となる場合もあります。

お酒に飲まれず、状況を的確に判断しその場を離れる勇気をもつこと、そして一人の日本人としての意識とモラルある行動をお願いしたいと思います。

ケニアのナニュキの一角

ケニア生活事情

ケニアの生活は非常に快適なものでした。

私が滞在した3週間(Nanyuki、Nakuru、Mombasa)で不便に感じたことはほとんどありませんでした。

他のアフリカの国では、バケツのシャワー、水のシャワー、停電でお湯が出ない、断水が起きるなど、不便をよく経験しましたが、ケニアは停電もなく、お湯も概ね使いたい時に使えました。

また、Wi-Fiが設置されているステイ先も多く、他の国と比較して滞在環境は非常に快適と感じました(スピードは家庭により差がある)。

洗濯については、Nanyukiのステイ先には洗濯機がある家庭が多いようでした。

他のアフリカの活動国のステイ先では、洗濯機があっても有料だったり、電圧と水圧が一定の水準で安定しないと使えなかったりという状況でしたが、ケニアに滞在していたボランティアから話を聞くと、洗濯機は自由に使用して良いということでした。

アフリカでは常に手洗いをしていた私としては、非常に有難い環境でした。

ケニアで滞在したホストファミリー宅

ケニアの食事事情

ケニアの主食には、米、ウガリ、チャパティなどがあります。

ウガリはトウモロコシを粉にし、こねて蒸した餅のようなものです。

米は意外と日本米と近く、タイ米とは違い、もちもちとした食感で、クセはありませんでした。

タイ米のような米も売られてはいるので、家庭によっては使い分けがあるかもしれません。

米を使った料理にはピラウというものがあり、これはヤギ肉を玉ねぎなどと炒め、水と米を入れて炊き上げ、市販されているピラウパウダー(スパイスを混合したもの)と醤油などを入れた炊き込みご飯です。

その他、Stew(シチュー)と呼ばれるカレーに近いスープ料理や、キーマカレーなどが出たこともありました。

チャパティはインドのナンに近い食べ物です。

ナンは窯で焼きますが、チャパティはフライパンで焼き上げます。

チャパティはカレーや煮込み料理と一緒に食べることが多いです。

ケニアは古くからインドや中東と交易を行ってきたことから、食文化も大きな影響を受けているため、香辛料を使った料理が多いと言えます。

個人的に辛いものが苦手なのですが、ケニアの香辛料の使い方は辛さがほとんどなく、どの料理も非常においしく頂けます。

もちろん好みはありますが、ボランティアのみなさんにも好評でした。

ケニア料理は、日本人にも非常に親しみやすい味付けなのではないかと思います。

Nanyukiには多くのレストランがあり、パスタやピザ、カリフォルニアロールをはじめとした洋風寿司を提供しているお店もあります。

したがって、欧米の食事を楽しみたい場合は、さまざまな選択肢から選べます。

カフェも充実しているので、自由時間の選択肢も多いと言えます。

ケニアの現地料理ピラウ

ケニアでの自由時間の過ごし方

【週末】

Nanyuki周辺には、国立公園、個人所有の保護区が10以上あり、ツアー会社も充実しています。

街の周りに点在していることから、デイトリップ~宿泊を伴うツアーまで多様な選択肢があります。

ツアー会社はさまざまですが、基本的にはプロジェクトアブロードの現地スタッフに相談すると、過去のボランティアが利用した信頼できる(評価が良い)ツアー会社を紹介してくれます。

金額は自分で相談することになりますが、あらかじめ現地スタッフから相場を確認しておくと安心です。

サファリツアーは誰もが参加するので、他のボランティアと交流する機会に週末の予定を共有して、もし車の席に空きがあれば混ぜてもらうこともよくあります。

ボランティアのみなさんは、サファリの他、ケニア山のトレッキングやコーヒー農園ツアー、マサイ族のコミュニティーツアーなど、バラエティに富んだアクティビティに参加されているようです。

もちろん、ステイ先やカフェでゆっくりする、夕食を外食にするなどという形で過ごす方もいます。

【平日】

一日の活動が終わった後は自由時間になりますが、基本的にはまっすぐ帰宅するケースが多いと言えます。

平日に他のボランティアと外食することになった場合は、ホストマザーやお手伝いさんになるべく早めにその旨を伝えましょう。

また、ハウスルールとして門限が設定されている場合が多いので、それらを守り、ホストファミリーの迷惑にならないよう過ごすことも大切です。

ケニアのサファリツアーで見かけたサイの親子

おすすめの持ち物

虫よけスプレー(ディード30%)

蚊がチラホラいますが、カーテンなどの窓の周辺や蚊帳に虫よけスプレーをかけておくと、蚊を見ることがほとんどなくなり、寝るのが快適になりました。

※飛行機の規定により、ガスタイプではなく霧吹きタイプにすること

 水筒

昼間は暑いので、100均で購入した水筒にウォーターサーバーの飲用水を入れて携帯したら便利でした。

ボディーシート

乾燥しているため、屋外では砂埃が多いです。

日本のドラッグストアなどで販売している夏用ボディーシートで体を拭くとスッキリしました。

一眼レフカメラ+望遠レンズ

サファリでの写真撮影におすすめです。

動物の写真は、スマホだけではほぼ撮れないと考えた方が良いです。

スマートフォン用望遠レンズ

私も今回初めて知りましたが、アマゾンや楽天でスマートフォン向けの望遠レンズが販売されています。

性能は不明ですが、一眼レフをお持ちでない場合はこちらを検討しても良いかもしれません。

自撮り棒

上手に背景を入れる、あるいはグループでセルフィ―を撮る際に便利です。

SDカードなどのポータブル記録媒体

写真を撮り過ぎてデータ容量が不足した場合に便利です。

もちろん、大容量クラウドがあれば記録媒体は不要ですし、現地のPCショップでも購入可能です。

 洗濯紐&洗濯ばさみ

屋外にも干す場所はありますが、これらがあれば、雨の日の洗濯物や下着などを自分の部屋にかけられて便利です。

USBタップ付延長コード

電源タップ+USBタップが付いた延長コード(2m位)にBF型プラグを取り付けて、現地の電源に挿して利用すると便利です。

対応電圧は各自ご確認ください。

よかったら、海外ボランティア渡航前必読!みんながすすめる持ち物リスト39もあわせてご参考ください。

これからケニアに行く方へ

今回初めてケニアに渡航しましたが、これまで私が訪れたアフリカの国の中で最もおすすめできる国の一つです。

治安、食事、観光、人のどれを見ても、ケニアは最高の国でした。

気候面では、寒暖差こそ激しいですが、普段はTシャツで過ごせますし、夕方以降はパーカーを羽織れば問題ないレベルでしたので(時期による)、過酷さを感じることもあまりありません。

そのため、「初めてアフリカに行く」という方でも安心して渡航できるおすすめの国と言えます。

プログラムで見ると、通年開催しているケニアで医療の海外インターンシップでは、高校生でも参加できる病院があるほか、同じく通年開催のケニアで環境保護の海外ボランティアも現地スタッフと同じ滞在先と過ごすせることから、海外に慣れていない方や高校生の方でも非常にハードルが低いおすすめのプログラムです。

アフリカへの第一歩として、ケニアはとてもおすすめできる国です。

ぜひ、前向きに検討してみてください。

おわりに

今回は、ケニアから帰国したばかりの木村シニア・プログラムアドバイザーが語るケニア事情をお届けしました。

続編として、ケニアでおすすめの海外ボランティアプログラムについてもブログでご紹介する予定です。

お楽しみに!

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