青年海外協力隊(JICA)に参加したいけど、発展途上国でいきなり2年間コミットするとなると、少し不安を感じてしまいますよね。
協力隊になって活躍したいけど、自分に何ができるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そんなみなさんにおすすめなのが、先に海外ボランティア経験を得ること!
海外ボランティア経験を経て協力隊として飛躍した先輩たちの実例と一緒に、JICA前に海外ボランティアする4つの理由をご紹介します。
海外ボランティア後、青年海外協力隊になった実例
プロジェクトアブロードで海外ボランティア経験を積み、JICAの門を叩いた先輩たちはたくさんいます。
その中から、6人の日本人ボランティアのみなさんの実例をご紹介します:
①フィジーで栄養管理プログラムに5週間→青年海外協力隊員として再度フィジーに派遣
プロジェクトアブロードでの経験が評価され、JICAでも希望だったフィジーへの赴任が叶い、栄養管理を専門に行う協力隊員として活躍。
②タンザニアで助産師プログラムに16週間→青年海外協力隊の助産師としてキリバス共和国に派遣
保健所公認のNGOを拠点に、家族計画や性感染症予防の啓発活動、妊婦健診、子宮頸がん検査、巡回診療などの任務に励む。若年妊娠予防活動や生活習慣病予防活動など、幅広い活動にも精力的に活動。
③カンボジアでチャイルドケアプログラムに4週間→青年海外協力隊の小学校教員隊員として中米グアテマラに派遣
小学校教育の分野で、現地教員の算数科指導力向上に携わる。日本文化の紹介、理科の実験などの授業の他、日本で使われなくなった楽器を活動国に郵送し、音楽教育の促進にも積極的に貢献。
④ネパールで理学療法プログラムに1週間→青年海外協力隊の理学療法士としてキルギスに派遣
リハビリセンターにて、現地職員と共に職場環境・業務の改善、医療知識の伝達、勉強会の開催に努める。多職種と連携し、障碍者の社会参加の促進、地域内の病気予防にも貢献。
※現在、プロジェクトアブロードはネパールでの理学療法プログラムを終了しています。
⑤エチオピアでチャイルドケアプログラムに4週間→青年海外協力隊の小学校教育隊員として南米パラグアイに派遣
海外ボランティア中に気づいた自分の英語力不足を補うために、大学4年時にカナダに半年間語学留学。教員経験を3年間積んだ後、JICAの小学校教育隊員として南米パラグアイへ。算数科における子供たちの基礎学力の向上と教員の指導力の向上に貢献。
※現在、プロジェクトアブロードはエチオピアでの活動を終了しています。
⑥インドでジャーナリズムプログラムに12週間→青年海外協力隊のコミュニティ開発隊員としてフィリピンに派遣
町役場の観光開発事務所のスタッフのスキルアップや、観光客の訪れやすいオフィス整備に貢献。観光を通した人々の生計向上をサポート。
※現在、プロジェクトアブロードはインドでの活動を終了しています。
理由①:発展途上国への抵抗が減る
青年海外協力隊参加前に海外ボランティア経験を得ると、発展途上国での長期滞在に対する不安軽減につながります。
停電、断水、お湯が出ない、異臭、衛生環境、治安、はたまた時間通りに機能しない公共交通網など、開発途上国では日本人が「不便」「不快」「不安」を感じることも少なくありません。
人によっては、虫が出るというだけでも相当なストレスを感じるのではないでしょうか。
そんな発展途上国でいきなり2年間コミットするのは、けっこう勇気がいるもの。
JICA前に海外ボランティアに参加すると、すでにカルチャーショックやホームシック、さまざまな生活様式の違いを体験しているので、発展途上国への抵抗が少なくなります。
青年海外協力隊の派遣先は、外国人を見たことがない方々が暮らすような、僻地になることもめずらしくありません。
「大丈夫、自分ならやっていける」という実体験に基づく自信は、JICA生活をとても楽にしてくれるのです。
理由②:今、自分に何が足りないのか明確になる
青年海外協力隊参加前に発展途上国での海外ボランティア経験を得ることは、今自分に何が足りないのかを明確にする有力な鍵となります。
日本人ボランティアの方の場合、その代表的な例は、英語力や発言力、主体性、リーダーシップ、コミュニケーション能力。
英語力一つにしても、どの分野の英語力が足りないのかが明確になることで、JICA参加前に集中的に準備を進めることができます。
結果として、協力隊としてより充実した経験を得ることにつながるのです。
青年海外協力隊に参加したプロジェクトアブロードの先輩たちは、この大きな気づきを得たおかげで、大きく成長してからJICAに臨むことができたと言います。
理由③:発展途上国に暮らす人々との関わり方を学べる
青年海外協力隊参加前に発展途上国での海外ボランティア経験を得ると、実際に現地に暮らす人々への理解がより深まった状態で活動できます。
自分の当たり前や日本の常識を押しつけないこと、マンパワーとして現地の方々の仕事を奪わないこと、相手の文化を尊重すること。
一般的に、開発途上国の人は時間にルーズでなかなか物ごとが前に進まない、なんて話を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、実際に開発途上国の人たちと関わってみると、決して単純な物差しで物ごとを図れないリアルな世界に気づくことに。
ゆっくりと信頼関係を築かなければならない現地の現実を肌で経験しておくと、青年海外協力隊として派遣される時には、人間関係構築において少し余裕をもてることでしょう。
理由④:自分が貢献したい分野を具体的に見極められる
プロジェクトアブロードは、多岐にわたる国際協力活動を行っています。
そのため、協力隊として自分が取り組みたいと思う分野でのシミュレーションが可能。
その経験は、周囲から評価されるだけでなく、現実とのギャップを埋め、自分が取り組みたい分野への気づきを得るチャンスにもなります。
例えば、学校教育に興味がある場合は、チャイルドケアや教育の海外ボランティアプログラムに参加することによって、教員の育成、算数などの具体的な科目の指導、カリキュラムの向上、市町村との連携を通した教育の促進など、具体的に携わりたいエリアの見極めに役立ちます。
すでに看護師としての経験がある場合は、病院内の衛生状況の改善、現地の看護師育成、患者への質の高い看護活動、安全管理、物品管理、医師との連携強化、地域への衛生教育など、発展途上国での医療現場での経験を踏まえ、自分が青年海外協力隊として本当に貢献したい具体的な分野をより鮮明に描けるのではないでしょうか。