プロジェクトアブロードは、毎年大勢のトビタテ奨学金を利用した高校生ボランティアや大学生ボランティアを派遣しています。
そんな長年の経験から見えてきたトビタテ奨学生の共通点。
トビタテ!留学JAPANに応募するからには、誰もが合格したいと願うものですよね。
そこで今回は、トビタテ合格を近づける5つのコツを具体的な参考例と共にご紹介します。
①求められている人物像を意識する
トビタテ合格へのコツの一つ目は、トビタテ!留学JAPANが求める人物像を意識することです。
トビタテ!留学JAPANは「日本代表プログラム」です。
「日本代表」派遣にあたって、奨学金を給付するスポンサー側がどのような生徒をリクルートしたいのか、しっかりと理解した上で留学計画を立てることが合格への鍵と言えます。
例として、トビタテ!留学JAPAN第9期の募集要項に記載の求める人物像には、下記の記載があります:
「日本の未来を創るグローバル探究リーダーとして、留学を通じて以下に掲げるような素養を身に付ける意欲を有する人材」
- 世界の人々と交流して得た学びから、多様な価値観を柔軟に取り入れようとする意欲
- 独自の視点や考えを有し、社会のために貢献しようとする志
- 好奇心を原動力にして、自由な発想で新たな価値を創造する力
- 探究心を持ち続け、視野を広げ情報収集しようとする姿勢
- 失敗を恐れず、未知の領域に試行錯誤しながら挑戦し続ける強い気持ち
- 自らリーダーシップを発揮し、周囲を巻き込む力
- 多様な人々と真摯に向き合い、対話して協働する姿勢
上記を得たこれまでの経験、あるいは要件を満たすために努力したいこと、そしてその熱意を表現する必要があり、この人物像からブレてしまうとトビタテが求める人材に当てはまらないと判断される可能性があります。
トビタテ!留学JAPANが求める人物像をとことん掘り下げ、等身大の自分と重ねる作業は、留学計画と並行して今後ご自身がどのように、またどのような人物に成長したいかを考える貴重な機会とも言えるでしょう。
②目標を明確にもち、具体的に語る
トビタテ合格のコツの二つ目は、明確な目標をもち、それを具体的に伝えることです。
そもそもトビタテ!留学JAPANという奨学金は、自分の目標を達成するための手段。
そんなトビタテ奨学金を使って達成したい目標、その延長線上にある将来の夢、そして海外ボランティアに参加したい経緯や背景など、明瞭かつ一貫した内容であるほど説得力が増します。
【悪い例】
- 「私は、発展途上国の現状を知るために〇〇プログラムに参加することによって、自分が現地の人々のために何ができるかを考え・見つける機会にしたいと思っています」
- 「私は、海外ボランティア活動を通してさまざまな人々と交流し、日本ではできないいろいろな国際経験を積みたいと考えています」
【参考例】
「私は将来、国連で働き、人権や女子教育の方面から支援を行っていきたいと考えています。
その準備段階として、高校生スペシャル・ガーナで人権プログラムを通して現地に直接赴くことは、そこに暮らすガーナ人女性たちとのリアルな交流を可能にしてくれます。
現地人女性たちへの教育や社会進出を取り巻く問題について当事者から直接話を聞き、自分の目で見て肌で感じ、自分の頭で考えることによって、諸問題を整理しながら草の根レベルで解決・改善する支援方法を導きたいと考えたことが、本奨学金に応募した理由です」
説得力をもたせるためには、「いろいろ」「さまざま」などの抽象的な表現を避け、可能な限り具体的な数字や例を使うのが効果的です。
奨学金を出す側も、ぼんやりとした抽象的な志望動機より、より具体的でビジョンが固まった志望動機がある生徒の方が「しっかり考えているな」「将来活躍してくれそうだな」と思うもの。
自分が行いたい活動をきちんと描けていると、現地での行動にブレがない上、「途上国あるある」で計画通りにうまく行かなくても全体的な着地点を見て柔軟に対応し、現地での協力者も見つけやすいのではないかと思います。
③世界や日本、活動国を取り巻く課題・情勢などに言及する
トビタテ合格のコツの三つ目は、日本国内外、そして活動国を取り巻く課題・情勢などに言及することです。
漠然とした内容とするよりも、ある程度テーマやキーワードを設定しておくと、意図が明確化しやすくなると思います。
【参考例】
- 「日本では自殺率が高い水準で推移している一方、海外ボランティアの舞台となるフィジーは国民の幸福度指数が世界で最も高い国の一つと言われており、~」
- 「南米エクアドルのガラパゴス諸島は独特の生態系を有していることが知られていますが、西表島も同様に独特な生態系を持っており、それぞれの地域でどのように人間と野生動物が共存しているかをテーマに~」
海外ボランティアの活動国と自分が暮らす日本を具体的に結びつけることで、活動国を選んだ背景や志望動機を面接官がイメージしやすくなる他、課題整理をしっかりしている印象を与えられると思います。
④時系列を意識する
トビタテ合格のコツの四つ目は、トビタテ応募シートへの記載にあたり、時系列を意識することです。
おすすめは、自分の過去・現在・未来のすべてに言及し、志望動機をまとめること。
【参考例】
「私は将来、国境なき医師団に入り、紛争国で傷ついた人々の治療にあたりたいと考えています。この考えに至ったのは、小学校の時に〇〇から~という話を聞き、紛争当事国の事を調べるうちに~と考えるようになったからです。
国境なき医師団では、紛争下の現場で医療に携わることになるため、設備が限定的な医療環境や、貧しいがために病院に行けない現状、高い乳児死亡率など、厳しい医療環境にいる人々の現状を知る必要があると考えました。
プロジェクトアブロードの医療プログラムでは、タンザニアの病院で視察活動を行い、診療の手順や医療現場が抱える課題を学習する一方、アウトリーチ活動を通じて基礎医療にアクセスすることが難しい人々の集落を訪問し、無料の診察活動に従事する予定です。
この活動を通して、現地の貧困層の人々の生活・食習慣・衛生環境の調査を行い、医療を提供する側・受ける側の両面に存在する課題を明らかにしたいと考えています」
将来のなりたい自分、きっかけとなった過去の出来事、なりたい自分になるためにプロジェクトアブロードのプログラムに参加する必要性などを、分かりやすく時系列にまとめられると、聞いている側も納得しやすいと思います。
将来のなりたい自分から逆算して、将来この目標を達成するには一生徒・一学生である今の時点でこれを達成したい、それが将来的に自分の夢の実現につながっていくと展開することをおすすめします。
⑤自信・熱意を表現する
トビタテ合格のコツの五つ目は、自信をもって熱意を伝えることです。
熱意を文字で表現することは非常に難しい作業ですが、断言できるところは自信をもって断言する姿勢が大切です。
【悪い例】
- 「私はプロジェクトアブロードのプログラムに参加することで、有意義な国際経験を得たいと思っています」
【参考例】
- 「プロジェクトアブロードの〇〇プログラムに参加することで得られる国際経験は、将来国連で働くにあたり、不可欠な最初のステップになると確信しています。その理由は~」
- 「△△プログラムの✖✖の活動では、異なる価値観の中で一つの目標を達成し、粘り強く物ごとに取り組める環境が揃っています。したがって、視野を広げながら国際感覚を身に付け、一個人として大いに成長できると考えています」
どんなに明確かつ具体的で説得力のある書類を提出しても、トビタテ面接審査の際に面接官の前でオドオドしたら台無しです。
面接官も一人間ですので、多少大げさだとしても、若さゆえの熱量や将来への期待、信念を前面に出し、自信をもって受け答えできる若者が好まれるのは自然なこと。
もちろん、事実以上に大きなことを言うのはNGです。
面接に進んだということは、留学計画書の内容が「日本代表プログラム」の求める人物像にあてはまると判断された証。
その内容に自信をもって面接に挑む姿勢が大切です。
おわりに
トビタテ合格を近づける5つのコツを参考例と一緒にご紹介しました。
どれも、誰でも今日からできるちょっとした工夫ばかりです。
トビタテの留学計画書は記載内容がかなり多岐に渡るため、学校の授業や試験対策、部活、受験勉強、ゼミ、サークル、バイトなどと並行して準備するのは、なかなか骨が折れる作業のことと思います。
でも、トビタテのような奨学金の機会を得られるのは、高校・大学の時だけ。
仮に今回はトビタテ合格が叶わなかったとしても、奨学金申請の過程を通して自分自身を見つめ直す良い機会になると思います。
例えトビタテ奨学金を得られなかったとしても、失うものはないはず。
むしろ、この経験は将来への糧と考え、このようなチャンスをぜひ積極的に利用してみてはいかがでしょうか。
プロジェクトアブロードは、トビタテ奨学金を使って世界に飛び立つ高校生・大学生を応援しています!